前々から不思議に思っていたのだが、はてなブックマークのカテゴリーは不便で使いづらく、明らかにおかしな点がいくつもある。
「はてなブックマークヘルプ」には次のように書いてある。
カテゴリを使いこなそう
追加されたエントリーは自動でカテゴリ分けされます。はてなブックマークトップページにはカテゴリごとのメニューが設置されているので、そこから各カテゴリごとの人気・新着エントリーを読むことができます。あなたの興味のあるジャンルに絞ってみれば、効率よく情報収集できるでしょう。
しかし例えば、興味のあるジャンルが、
「ビジネス書の書評・紹介」
だという鈴木さん(仮名)が1000人いた場合、「効率よく情報を収集できる」かどうか、甚だ疑問である。
今、1000人の小さな鈴木さんが、はてなブックマークのトップページにいるとしよう。
彼らの目には、カテゴリーという名前の標識が見えている。
【ヘッドライン】【ガールズ】【総合】【一般】【世の中】【政治と経済】【暮らし】【学び】…。
この時点で、一体どこを目指して進むべきなのか、小さな鈴木さんたちの間で議論が紛糾することは間違いなしである。
鈴木さんA「とりあえずここに居ても始まらない。まずは手堅く左端の【ヘッドライン】に進もう!」
鈴木さんB「何を言っているんだ?【総合】に行けば、そこには総合的な案内所がある筈だろう。つまりデパートの一階みたいなものだ」
鈴木さんC「いやいや、そもそも書評というのはごく一般のブログに書いてあるものだろう?だから、はてなブログの書評系の記事は、おそらく【一般】にあるものなんだよ」
鈴木さんD「君たちは近視眼的すぎるぞ!【世の中】全体を広く見渡して、そこからビジネス→ビジネス関連の書評、へ進むという論理的なルートが見えていないのか?」
鈴木さんE「互いに言い合っていても先に進めないぞ。どう考えてもビジネスは経済的な領域に属する話題だよ。よって【政治と経済】しかない」
鈴木さんF「ハハハ!読書というのは【暮らし】の一部で、むしろ生活全体における趣味の領域だと思うがね!」
鈴木さんG「とにかく、一刻も早く読書を通じて学び、成長したいんだ!真っ直ぐにまず【学び】へと進んで間違える訳がない!」
こうして1000人の小さな鈴木さんのうち、
Aグループの鈴木さん100人は【ヘッドライン】
Bグループの鈴木さん100人は【総合】
Cグループの鈴木さん100人は【一般】
Dグループの鈴木さん100人は【世の中】
Eグループの鈴木さん100人は【政治と経済】
Fグループの鈴木さん100人は【暮らし】
Gグループの鈴木さん100人は【学び】
へと進むことにした。
残った鈴木さん達の300人は【ガールズ】をちょっと覗いてみたい欲望を抑えながら、じっと動かずに700人の報告を待っている……。
と、ここまで話を進めておいて言うのも何だが、700人の鈴木さんは、どこへ進んだグループもそのほとんどが行き止まりになってしまうのである。
すなわち、
Aグループの行き先は、
【ヘッドライン】→ [最近の人気エントリー ]が延々と続く荒野。
評価をするならほぼ×である。
Bグループの行き先は、
【総合】→ [人力検索はてな][はてなニュース][はてなブログ]
と分かれていて、[はてなブログ]から書評にたどり着けるかどうかは運次第。
【総合】というより、誰がどう見ても【はてな】とするべきカテゴリーである。
評価は△とする。
Cグループの行き先は、
【一般】→[旅行・おでかけ][プログラミング][インテリア・雑貨][食べもの・レシピ]
に分かれているが「一般」というよりは乙女チックなプログラマー専用の場所ではないか。
「一般」という言葉の定義からやり直すべきで、完全に×以外ない。
Dグループの行き先は、
【世の中】→[社会][メディア][いい話][3.11][訃報]
で、このゴチャゴチャした意味不明なサブカテゴリーを「世の中」でまとめても誰も得をしない。
「世の中」の下に「社会」があるという点も意味不明である。
はてなブックマークヘルプの説明には、「文化、事件、時事など」と書いてあるので、むしろ【社会】としておいて、その下に[文化][事件][時事]などでよいのではないだろうか。
[いい話]をほんの少し聞くだけでキーッとなるのが平均的はてなユーザーらしいので、[いい話]は削除でよい。
Eグループの行き先は、
【政治と経済】→[お金・投資][政治][企業][仕事・就職][広告・マーケティング]
で、ニュースサイトの政治経済関連ニュースがほとんどだが、これは妥当なところか。
ただ、ここから政治経済関連書籍、およびビジネス書へとたどり着けるような抜け道があればもっとよい筈なので、△である。
Fグループの行き先は、
【暮らし】→[インテリア・雑貨][旅行・おでかけ][食べもの・レシピ][写真・カメラ][はてな女子]
で、どういう訳か【一般】(乙女チックなプログラマー)とかぶっている。
統合整理して【暮らし】か【はてな女子】にでもすればよいので△だろうか。
Gグループの行き先は、
【学び】→[英語][書籍・雑誌][アート・デザイン][研究・図書館][疑似科学]
となっており、この[書籍・雑誌]はかなりの正解っぽいのだが、あのズラリと並んだカテゴリ名から一発で確実に、
【学び】→[書籍・雑誌]
というルートを選択できる人間がどれほどいるのか、大いに疑問を感じる。
AグループだってCグループだってEグループだって、そう間違った判断はしていない筈であるにもかかわらず、ほぼ全滅になっているのである。
さて、では残った300人の鈴木さん達には、一体どのような運命が待っているのであろうか?
(その2へ続く)