雑誌卍固め:「TOmagazine」 品川特集号

 

 

当ブログ実施のアンケートによると、一回しか書いていないのに多少の人気があるシリーズ、それが「雑誌卍固め」である。
この先、続けられるのかどうか分からないが、今回は「TOmagazine」の感想を書いてみよう。

 

TOmagazine 品川特集号 (双葉社スーパームック)

TOmagazine 品川特集号 (双葉社スーパームック)

 

 

「TOmagazine」は、これまでに足立区、目黒区などを特集している雑誌である。

今回は品川特集ということで、品川女学院出身の広末涼子が表紙となっている。

アマゾンの内容紹介は以下の通り。

 

1,000 万人が生活する大都市でありながら、たくさんのまだ見ぬ魅力が潜む街・東京。
「ハイパーローカルなシティカルチャーガイド」を標榜する『TOmagazine(トゥ・マガジン)』は、
東京23区各エリアの知られざる文化を、そこに暮らす人々の視点で編集しピックアップしています。
毎号ひとつの区にフォーカスを当てて徹底的に地元に入り込んでリサーチすることによって、
ローカルの人々ですら気づかなかったような街の見方や、
「外と内側をつなぐ」新しい楽しみ方を誌面で提案。
この号より誌名を創刊時のものに戻し、季刊ペース化。
よりパワーアップし、東京の魅力に迫っていきます。

品川区特集号】
特集:愛の品川
この号では、時を越えて男女のドラマの舞台であり続ける「品川」にフォーカスします。

かつて、江戸における最も重要な交易の拠点として、
1,600を超える商店と、7,000を超える人口を誇った東海道品川宿
多くの旅人たちが行き交ったこの街で、
男と女は偶然に出逢い、そして、必然の別れを繰り返してきた。 時を経て、今では国際都市・東京の表玄関としての役割を担う品川。
時代は変われど、品川の街に愛のムードは連綿と宿り続ける。

■ 表紙・巻頭グラビア 広末涼子
16年ぶりに母校・品川女子学院を訪問。
「時代の顔」と言っても過言でなかった高校時代の思い出などを
ほぼ初めてメディアに語る、注目の巻頭特集です。
写真:川島小鳥
インタビュー:吉田豪

スペシャル別冊付録
「男と女の TENNO-ZINE 2014」
天王洲アイルを舞台にした、男女のための新感覚ハンドブック。
今なぜ天王洲アイルなのか、そして、どのように天王洲アイルを楽しむべきなのか。
同エリアが開発されたバブル期の隆盛をヒントに、
現代の男女のための天王洲の楽しみ方を指南する。

■区内在住者がおすすめする! ハイパーローカルなグルメINDEX
今号から新たに加わったグルメ企画。
地元を知り尽くした在住者に「本当においしい店」をアンケートして紹介。
各エリアの知られざるグルメ情報が一目瞭然。

 

私、広末涼子の大ファンなので思わず購入してしまいました。

とでも書ければ格好がつくのだが、実は一度も広末涼子が出るドラマや映画を見たことがない。

しかし嫌っている訳でもないし、このインタビューの中にも「今までアイドルに夢中になったことがない層まで惹きつけた」という部分があって、その盛り上がりぶりは確かに覚えている。自分の周辺にもそういう人々がいた。

冒頭の広末涼子インタビューは、そんな私であるのでさほどの興味もなく読んでいったのだが、さすがに芸能界の荒波で揉まれただけあって、人間が練れているというか、発言がしっかりしている。

大人気だった頃も、ちやほやされていると母親が手綱を締めていたようで、なかなか厳しい家族だったらしい。「広末涼子の母親」は私の頭の中では、勝手に原田美枝子風の外見になっているほど好感を持ってしまった。

それはともかく、この雑誌の内容紹介は上記の要約だと「広末+天王洲アイル+グルメ」の三本柱のように見えるだろうが、実際はそうではない。

広末の後は芸者遊びや落語関係(「品川心中」「幕末太陽傳」など)のページになって、その後は風俗事情、品川水族館、競馬場、UFO、と話題がコロコロ変わり、ファッション誌風のページを挟みつつ、終盤で下町グルメ探訪になる。

 

幕末太陽傳 デジタル修復版 Blu-ray プレミアム・エディション

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幕末太陽傳 [DVD]

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その後は文字ばかりのページになって、急にtofubeats(トーフビーツ)の対談が出てくる。トーフビーツ氏は肩書きが歌手、音楽プロデューサー、DJ、トラックメーカーという人なので、これまでの流れとはかなり毛色が異なる。

ここだけは「ハイパーローカルなシティカルチャーガイド」という雰囲気があるにはあるのだが、またこの雑誌の真ん中あたりに戻ると、還暦のお爺さんたちの野球チームの話題とか、女子高の制服ガイドとか、誰に向けて書かれているのかピントが曖昧な記事が多い。

そもそも「TO」と表紙に書いてあるのが「トゥ」とはなかなか読めない筈で、「トゥナイト」のような短さで「トゥマガジン」と発音するのか、「トゥーフィンガー」のように「トゥー」と伸ばして「マガジン」と付けるのかもはっきりしない。自分は何となく見た目から「ティー」「オー」「マガジン」と読むのかと思った。

全体的にこの雑誌を読み通せるのは「おっさん」であって同時に「あれもこれも読む」といった雑食タイプでないと難しい。よって関東以外の、例えば「九州や北海道に住んでいる熱狂的な広末涼子ファン」以外にはあまりお勧めできないものの、自分は結構楽しく読むことができた。

同じような情報でも新聞で読むか、ネットのニュースで読むか、テレビ経由で知るかによってかなり印象が異なると思うので、例えば還暦のお爺さんばかりの野球チームの話題は雑誌が割と合っており、何となく読んでいてホッとするような印象を受ける。悪く言えば(この雑誌に限らず)雑誌の作り方が90年代からほとんど進化していないようだし、良く言えばレトロチックな内容に多少古臭い紙面の雰囲気がよく合っている。

 

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