「回文春秋」のベスト10 【前編】

 

 

回文のブログ「回文春秋」も、油断してるうちにエントリー数が百近くまで来てしまった。その上、年始用にお正月をテーマにした作品を幾つも作って、もう予約投稿を済ませているほどである。

もはや「今やらねば、二度と回文のベストテンを選定するチャンスはない!」と言っても過言ではない。

 また、最近しばしば思うことであるが、自分では上手いことを言っているつもりでも、

「今、上手いこと言いましたよ!面白いですよ!」

とアピールしないと、伝わる物も伝わらないのである。

自分は割と面白い回文を書いているから、そのうち誰かが発見してくれるだろう、などと虫のいいことを考えているうちに、一生が終ってしまう。


そこで、今回は屋上屋にそのまた屋上屋を架すくらいの勢いで解説を加えつつ、親しみやすい回文をベスト10形式でご紹介してみたい。

さらに親切に「ここが面白い」「今、ふざけてます」という合図のため文中に[★]マークを付けておく。

 

 

まずは第十位!

昼は子供を相手にトンチを披露している一休さんである。

しかし、夜ともなれば隣町の和尚さんだの、足利何とかだのが入れ替わり立ち替わりでやって来て、勺をさせられたり、お尻を触られたり[★]、子供には意味不明の言葉をお題にトンチを披露する羽目になるなど、苦労が絶えない……。

たまりかねて思わず「夜、トンチ賃とるよ!」と叫んでしまう。

有名であるがゆえの悲哀を、回文に込めてみた[★]。

 

 

第九位!


「どうもたるんでおるな……」と鬼艦長が思っているいるそばから「合コンせり!」などという通信文が送られてくる。せっかく学んだモールス信号の技術を遊び半分に使っているのである。

「して、その戦果は?」

「全艦、撃沈されたであります!」

と昼間からやり取りしているアホ海軍なのだが、合コンと言っても乗組員に女装をさせて合コンごっこをしているだけである[★]。

そこまで想像できる人はいないと思うが、そもそも「蚊取り線香号」という名称自体がコントやコメディ映画の世界のものなので、あまり真剣に読まないでいただきたい。

 

 

続いて第八位!


何が「すると、どうしたことでしょう。」だよ!

とツッコミを入れて欲しい[★]。

とにかく、勝手に昔話のクライマックス風に持っていっているだけの話で、当然ながら前も後も特にこれといったストーリーは無いのである。

涙が軍手になるとはイメージ的にあまり綺麗ではないが、チェスタトンが「蛙が王子になるのは不思議だとしたら、玉子からヒヨコが出てくるのも大いに不思議だ」と言っていたのを思い出したので、自分としては「まあ別にどうでもいいや」と結論づけている[★]。

 

 

第七位!


 「お姉さん」では回文にならないが「お姉たま」なら使えるのではないか、と考えていじっているうちに完成した。

ランドセルを背負った小松政夫が「また、お姉たまがENEOSをぶっ潰してしまいました!」、それに対して女装した伊東四朗が「まあ、大変ね~」といった調子で応じている図[★]を想像していただきたい(ゲストの女優は水川あさみ)。

そんな番組は昔も今もないが……[★]。

 

 

第六位は!!


いよいよ2015年が間近に迫っているのだが、いま現在は家を出る直前で、靴を磨いているだろうという内容である。

「擬人法」を小学校で習ったのが、今ようやく役に立ったので嬉しい[★]。

 

(次回、いよいよベスト5の発表!)

 

「回文春秋」のベスト10 【後編】 - 何かのヒント

 


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