初心者の短歌日記:ペコちゃんのその後

 

 

3月の題詠短歌でペコちゃんを詠んだが、あれは擬人法なのかどうかという疑問が湧いた。

揺らぎすぎ二重に見えるペコの首 ヤマザキ春の電撃移籍

自分で読み直してもよく分からない。

頭を何度も叩かれるのに嫌気がさして、ペコちゃん本人が自発的に移籍したようにも読み取れる。

 

 

「企業や商品のマスコットキャラクターが移籍する」

という設定自体が強引だが、波長の合う人にはたった一行で「あり得ないフィクション」と「ありそうなリアリティ」とを同時に受け止めてもらえる。この点で短歌は便利である。これが小説なら、説明するのは面倒だし、しないで押し通すのもまた面倒ではないか。

移籍と呼ぶかどうかは別として、企業がキャラクターを一年ごとに売買したり、高く売りつけたり、安く買い叩いたり、交換したりすることは、現実にあっても不思議ではない。

スポーツ選手の移籍のイメージもあるし、芸能人が事務所を独立するとか、干されるとか、そういうイメージとも重なる。普通の人にとっても人事異動は気になる話題である。

 

ペコちゃんがロッテに移籍会見す 舌を出しつつガムを噛む春