書くことあり日記:「氷河期」という季語を勝手に考える

 

 

四季折々の季語など、よく考えたら数ヶ月単位でチャカチャカ入れ替わる、せせこましい一年単位の世界における事象の記号に過ぎないではないか。

つね日頃から何百万年~何億年という単位で物事を考えているビッグな私にとっては、まったく物足りない。

そこで「氷河期」という季語を勝手に考えて俳句を詠んでみた。

一旦氷河期が来れば、十万年くらいは使えそうなスケールの大きい季語である。

 

氷河期や凍てつくばかり寺の鐘

 

【解説】氷河期が来て、すっかり寺の鐘は凍てついてしまった。あの鐘を鳴らしたあなたも今はもういない。私の心もすっかり氷河期なのだ。

 

 

氷河期や子犬のくせに丸くなり

 

【解説】子犬のくせに、庭を駆け回るどころか猫と一緒にこたつで丸くなって震えているよ。

 

 

氷河期の大森林より手毬歌

 

【解説】聞こえてくるよ!あの声がまた、森の奥から……。

 

 

春なれど陽は氷河期の地に触れず

 

【解説】暦の上ではもう春である。しかし太陽の光は厚い雲に遮られているため、地には届かない。

 

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氷河期や静止画のごと深海雪(マリンスノウ)

 

【解説】深海に降るマリンスノーも凍りつき、生きとし生けるものみな微動だにせぬ氷河期であることだなあ。

 

 

命懸け手袋薄き氷河期ラヴ

 

【解説】「あんた、薄い手袋だと死ぬよ!」命を懸けてでも、手袋を薄くしてデートに臨みたい!そんな一途な乙女の恋心である。

 

 

氷河期や凍河を前に家二軒

 

【解説】凍った河の近くに、身を寄せ合うようにして二軒の家が並んでいる。

 

 

隕石や氷河期凍土のツボ突きぬ

 

【解説】宇宙からの隕石が、凍土を突き抜けて地球のツボを刺激したのであろうか?

 

氷 (ちくま文庫)

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氷河期のビジネス支える もやし粥

 

【解説】氷河期のビジネスマンたちは凍えながら、もやし粥をすすって働いている。しもやけだらけの手に匙を持って……。

 

 

「ペキ」と鳴る 氷河期末の縄文杉

 

【解説】凍結した縄文杉の中から「ペキ」と音が聞こえた。厳しい寒さのせいか、それとも……?

 

 

氷河期の海ボコボコと海底火山

 

【解説】凍りついた海を、下からボコボコに沸かす海底火山の雄雄しい姿である。

 

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