観た映画:「そして父になる」☆☆☆☆

 

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「子供が取り違えられていた」ということが発覚した二組の夫婦の話で、並のサスペンス映画よりずっとサスペンスに満ちていた。

というのは、例えば「大統領暗殺を阻止する!」といったようなサスペンス物の場合「どうせ主人公や大統領は死なないんでしょ」「はい、死にません」というお約束の枠があって、滅多なことではその枠から出るような展開にはならない。

 この映画の場合は、「取り違えられていたから、また交換すればいいじゃないの」という最も単純な解決策が正解かというと、一概にそうとも言えないし、整理してしまうと「氏より育ち」なのか、それとも「血は水よりも濃い」のか?という問題になるのだが、まず「二組の夫婦」ですでに四人の立場や考えがあるのでまとまらない。

 

 

その上、この映画は微妙に「格差」というものに言及したがるところがあって、親と子の遺伝的格差、金持ち夫婦とそうでない夫婦の格差、さらに夫と妻の格差にまで踏み込むような場面や台詞まで出てきて、問題をこじらせてくる。

その辺の微妙な面白さを言い換えると、着地点がなかなか見つからないスリルに満ちている。そして肝心の子供は、問題の中心でありながら何も知らされないという皮肉がよく利いている。

 

そして父になる オリジナル・サウンドトラック

そして父になる オリジナル・サウンドトラック

 

 

音楽はバッハやブルグミュラーで、落ち着いていてよかった。ちなみに同じ是枝監督の「海街~」の方は音楽が菅野よう子で、「歩いても~」はゴンチチである。

「歩いても~」はここ二十年くらいでベストと言ってもよいほどの映画で、☆5つにしたいほど優れた作品だと思ったが、「そして父になる」も☆4つは余裕で越えている。

余談だが最後のスタッフロールの中の出演者に吉田羊の名前を発見して、「え?どこで?」と思った…(>_<)


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