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9月分の創作過程と意図

短歌
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「短歌の目」に参加した自作の解説です。

 

1.一錠

 

瓶底の一錠だけは知っているこの歌の最終読者のその命日

 

ブログでも短歌でも小説でも何でも 「最後の読者」は誰なのかということを時々考えることがあるので、考えても仕方のないことだがそれをそのまま短歌にした。

 

 

2.おい

 

おいかけて横浜たそがれマイラブレボリューションNo.9

 

意味のわからない人には全く意味不明の短歌だと思うので解説をすると、曲名が数珠繋ぎになっている。

「だから何なんだ」

「それは短歌ではない」

と思われても仕方がないが、単に中身がなくて表面だけ、技術だけで57577っぽくしているだけの言葉遊びである。

 

VOXXX

VOXXX

 

 

もともと電気グルーヴの曲で「 ハロー!ミスターモンキーマジックオーケストラ」というタイトルがあり、それに近いものができそうに思ったのでこの機会にやってみた。

 

追いかけてヨコハマ

追いかけてヨコハマ

 

 

追いかけてヨコハマ桜田淳子)」

 

 

よこはま・たそがれ

よこはま・たそがれ

 

 

「よこはま・たそがれ(五木ひろし)」

 

 

たそがれマイ・ラブ

たそがれマイ・ラブ

 

 

「たそがれマイ・ラブ(大橋純子)」

 

 

恋愛レボリューション21

恋愛レボリューション21

 

 

恋愛レボリューション21モーニング娘。)」

 

 

 


Revolution Number 9-The Beatles - YouTube

 

「レボリューションNo.9(ビートルズ)」

 

この五作が正確に、瞬時に分かったという参加者はおそらく、いても数人ではないだろうか。

 

 

3.ウーパールーパー

 

ウーパールーパーの覆面をした強盗団だったから公開処刑で皆が笑った

 

ウーパールーパーの顔つきはユーモラスなので、あの覆面で残酷なことをしたら不気味だろうなと考えた。ピエロの覆面をした強盗とか、そういうイメージである。

しかし彼らが処刑される時に、周囲が笑ってそれを眺めていたらもっと残酷だなと考えた。

 

 

4.マッチ

 

マッチ一本パパのもの冬きたりなば私の心は火事のもと 

 

「マッチ」から連想されるのは寺山修司だが、もともとパロディとかもじりとか盗用的な作風の人なので、似たアプローチではやりにくい。

そこで仕方なく「マッチ売りの少女」とか八百屋お七のイメージであれこれ考えているうちに、「マッチ一本火事のもと」という標語と「私の心はパパのもの」というジャズのスタンダード・ナンバーの曲名を混ぜて、コラージュしたような感じでまとまった。

中間を「冬きたりなば」でつなげた点も含めて、みな既製品から作ったコラージュである。表面は明解な言葉で、どことなく妖しい雰囲気があるので、これまでに詠んだ短歌の中ではかなり気に入っている部類に入る。

75785という変則的な音数だが、ごく平然と「短歌ですよ」という雰囲気を持っている点もすっとぼけていて良い。

 

 

5.葉

 

金葉や奥葉や虫葉ある山々で治療を続ける鹿医あり

 

歯を「葉」に置き換えて「金葉」「奥葉」「虫葉」と書いても、そこそこ成立するだろうというダジャレ的な発想からできている。歯科医を「鹿医」と書くとそれだけで童話風になって、絵として面白いのではと思った。

 

 

6.月

 

ツイッターに伝説怪獣ウーがいて「ウー」と定時に唸り満月

 

これは本当の話で、実際にツイッターには「伝説怪獣ウー」が存在している。そして今でも「ウー」とか、たまには大文字で「ウー」とつぶやいている。

最後の部分を「三月」にしても「五月」にしても「八月」や「九月」にしても、何でも成立してしまうので、思い切って「満月」にしてみた。

 

 

7.転

 

突然ながら読書の秋のお勧めは「魔界転生」より「柳生忍法帖

 

山田風太郎忍法帖シリーズは昔から「魔界転生」が代表作ということになっているが、柳生十兵衛三部作では、その前の「柳生忍法帖」の方がお勧めである。女の子たちが助けを借りずに自力で復讐をする話なので、女性にもお勧めできる。

 

 

8.舌

 

くろがねの秋の風鈴から舌を抜き無音なり冬遠からじ

 

これは自主的に詠んだというか、急に出来ちゃったという感じで完成した。有名な俳句「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」のもじりで、鳴らずに無音でも別によいではないかという発想である。

「くろがねの秋の風鈴鳴りません」では退屈なので、後半を少し付け足して、できた時は何となく自分が詠んだという感触が持てずに、それでも割と良い出来ではないかと思った。

人に見せたくて仕方がなかったので、「短歌の目」のお題募集に「秋」「舌」「風」を提出して、どれか一つでも採用されたらこの作品を出そうと考えていた。実際に「舌」が採用されて、卯野さんからブクマで「8正道、良歌。」というコメントを貰った時は嬉しかった。

普段から変な短歌ばかり作っているので、時々はストレートな良作っぽい短歌も作りたい。

 

 

9.飽き

 

読み飽きた本をお売り下さいという癖に買ってくれない本ばかりなり

 

普通に思っていることを57577に当てはめただけなので、我ながら凡作である。

 

 

10.【枕詞】うつせみの

 

うつせみの世に地球空洞説を主張する軽くて薄い影法師たち

 

「うつせみの」は軽い、空虚、儚い、空しいという言葉やイメージに連なってしまうので、開き直ってそういう軽いものを並べてみようと考えた。

 

 

今月は4と8が自分では気に入っている。どちらも作り物だが「作った」という感じに乏しく、自然にぽろっと出来上がったような所があるので、努力や根性とは無関係の作である。

 

 


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