書くことあり日記:難しいお題

 

 

毎日ブログを書いていると、調子のよい時はどのようなお題についてでもある程度の質と量を備えた文章がスイスイ書けるような気になることもある。

その一方で、お題によっては急に何も書けなくなることもある。

最近の例でいうと「短歌の目」で「怪談」というお題が出た時には参った。

怖いというよりは気味が悪い、醜い、汚い、痛い、おぞましい、不愉快なイメージばかりが頭に浮かんできて、推敲していると尚更その度合いが増してきて、それがエスカレートする一方になって、自分でコントロールできなくなってきたので、考える作業を中止した。

もっと最近では「#本棚の10冊で自分を表現する」というのがどうも苦手で、そもそも「自分を表現する」という言い回しに違和感を覚えるのでやりにくい。

 

togetter.com

 

他の人はこの言い回しに批判的でも冷笑的でもなく、ごくストレートにアイロニー抜きで「自分」を「表現する」つもりで選んでいるらしいのでますますやりにくい。

ちなみに以前習っていたピアノの先生が60代くらいの人で、この人も「自分を表現する」を連発するので閉口した。

 

声を届ける―10人の表現者

声を届ける―10人の表現者

 

 

と思っていたら、たまたま読んだ「声を届ける」という本の中に以下のような部分があった。

 

 「映画が自己表現だとは思っていません。表現するほどたいした自己はないですし。それに自己表現という言葉自体が、古いっていうかダサイっていうか……なんか嫌なんですよね。私の世代の特徴なのかもしれませんけど」

 

映画監督の西川美和の発言で、つまりある程度以上の年齢だと「自分を表現する(自己表現)」という言い方に抵抗を感じず、ある程度以下の年齢でも感じないらしい。

西川美和は74年生まれで、私もそれに近い年代なので「世代の特徴」と言われると妙にすんなりと納得できたのであった。


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