時々、自分が店を出すとしたらどういう店にするか、あるいは名前にするかについて考える。
車の運転中に、ふと「めちゃくちゃブックス」という書店はどうかと思いついた。
自分なら、通りすがりにそういう看板を見かけたら100%入るだろうと確信できるネーミングである。
その店の店主だとしたら、自分はレジで寝る。
「さすが、めちゃくちゃブックスですね……」
とお客さんが声を顰めて、静かな店内に自分の寝息だけが漂っている。
たまに威勢のいい中学生が入ってきて、
「なあ~んだ、大してめちゃくちゃじゃねェや!」
と言ったら、いきなり背後から消火器の粉を浴びせかける。
親が文句を言いに来たら、親の顔にも消火器の粉を噴射する。
パトカーや警察官や消防車やマスコミにも消火器の粉をぶちまける。
無くなったら、うどん粉をぶっかける。
電話がかかってきたら、
「はい!いつもめちゃくちゃ、めちゃくちゃブックスでございます!」
なんて言うのだろうか。
「あいよ!めちゃくちゃブックス!」
と威勢よく言って、いきなり切るのもいい。
品揃えもめちゃくちゃ、会計もめちゃくちゃ、接客は適当でいい加減。
「それでも多くの人々に愛され続けて、とうとう開店以来五十周年です!」
と、開店して半月くらいで「五十周年記念イベント」を開催したりする。
そういう店を私はやりたい。
そして、めちゃくちゃに泣いてしまいたい!