観た映画:「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

 

 

スター・ウォーズ」サーガに関しては、他のシリーズとは比較にならないほど人それぞれの「スター・ウォーズ歴」が存在する。

 

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かく言う私も、最初のSW(EP4)は親戚の叔父さんに連れられて日劇で観ましたというレベルの年季の入り方なので、EP1が初体験でしたという人の感想を目にすると、シリーズそのものの大きさに言葉を失ってしまう。

 

 

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しかし、こう言っては何だが旧三部作は偉大でありながらも、心のどこかで「大したことない」と思わせるような、卒業してみれば楽しかった小学校、中学校のようなものであった。

 

 

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さらに悪いことに、新三部作は悪名高いジャージャー某のせいで、何となく三作とも「もうこのシリーズはどうでもいいや」「勝手にしろ」と思わせるに充分な作品群であった。

 

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今回のEP7も当初、さほど期待はしていなかった。

というのはJ.J.エイブラムスの「スーパー8」は映画館で失神するかと思うほど退屈な作品だったし、「スター・トレック」の二作は「面白い(けれどもそれだけ)」という印象しかなかったので。

 

 

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そんな自分の目にも「フォースの覚醒」の予告編はかなり期待の度合いを高めてくれた。旧三部作の芳香らしきものが数分の予告編には漲っており、何かが「ありそう」な雰囲気がふんわりと漂っていたのだ。

それでも何となく期待しきれないでいた私は「一般:2600円」という価格に不快感を持ち【IMAX3D】ではなく2Dで観てしまった。

 

 

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実際、映画が始まってみるとEP7というより、続編の皮を被ったEP4~6のリメイクではないかと思うような内容だった。

何しろ秘密の情報を託されたロボットが砂漠の惑星に辿り着いて、追っ手が主人公たちを追いかけてくるというお話なのだ。

 

 

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しかし既視感があるから駄目、というより「これぞSW!!」というお馴染み感の方が勝っており「待ってました!」という喝采を送りたくなるような場面の連続なので、こうなると007シリーズや歌舞伎の名場面のような味わいに近い。

 

 

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客の観たいものを観せるという意味では的のど真ん中を射抜いているので、そういう方針を明確に貫いたという点では素晴らしい、100点満点で120点くらいの出来なのだった。

そういう訳で今回、久々にSWシリーズに惚れ直したのと同時に、これは間口の広さにおいても凄い作品だなと思った。

 

 

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というのは、旧三部作ファンにとってはストレートな続編だし、貧困女子にとっては感情移入しやすい話だし、中高生男子にとっては単純なドンパチと追いかけっこ中心のアクション映画だし、パパやママにとっては「子供がグレてしまったらどうしよう」という現実的な不安に引っかかってくるリアルな話であるし、単なるフワフワした夢物語や御伽噺風でもあり、ラブロマンスを予感させもするという、世代や立場別に入り口が多い作品になっているからである(探せばもっと様々な入り口がある筈)。

 

 

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今、観ようかどうしようか迷っている人には、多少の値段の高さには目をつぶっていただいて爆音上映や3Dでの鑑賞をお勧めしたい。仮にこの映画の全てが嫌だと思える人がいるのであれば、これと真逆の作品を目指すための強烈な推進力にはなるのではないかと思う。


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