今から二十年も前の話だが、同僚がカラオケでチェッカーズの歌を歌った。
曲は「ギザギザハートの子守唄」であった。
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
という歌い出しである。
その同僚は、続くメロディに乗せて、
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
嗚呼、
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
♪ちっちゃな頃から悪ガキで
と、最後まで同じ歌詞で歌いきってしまったのであった。
この曲は、最初のフレーズの繰り返しだけで最後まで押し通せるという、珍しい歌なのであった。
聴いている方としては、
(いつまで同じフレーズを繰り返すのだろう?)
(何か新しい展開があるのではないか?)
(それは一体、いつなのか?)
(その瞬間を聞き逃すまい!)
と、多少の期待を持ちつつ、多少は緊張しながら聴いているのだが、鮮やかに、かつ平然とそれを裏切る構成になっているのである。
いま思うと、レイザーラモンRGの「あるある早く言いたい」にも似た、一種の引き延ばし芸である。
歌詞を覚えるのが苦手な人や、カラオケで歌うのが恥ずかしいという人には、ぜひお勧めしておきたい。
自信のない方や半信半疑の方は、練習してから披露してみよう!