観た映画:「ブラック・スキャンダル」

 

 

時間ができたので映画を観ることにして「ブリッジ・オブ・スパイ」か「ブラック・スキャンダル」か、上映中の作品の中でどちらを観るべきか少し迷った。

予告編をチラッとしか見ていないが「ブリッジ・オブ・スパイ」はいかにも善人が善行をして天国に行くような話だろうなと推測した。

トム・ハンクスが目をうるませて、全米が感動してどうこうという路線よりは、悪人が悪いことを山ほどやって地獄へ突き進む話の方がまだ退屈しないだろうと考えて「ブラック・スキャンダル」を選んだのだが、結果的には良い判断ではなかった。

「ブラック・スキャンダル」で面白かったのは、悪いジョニー・デップに抱きこまれるFBI捜査官が梅宮辰夫にそっくりだったという点だけなので、その他の部分も深作欣二テイストで揃えてほしかった(無理だけど)。

 

梅宮辰夫の魚のさばき方 (タツミムック)

梅宮辰夫の魚のさばき方 (タツミムック)

 

 

あともう一つ、辰っつぁんの奥さんがマフィアとの癒着に気付いていて、

「あんなヤクザな連中、うちに呼ばないでよ!顔も見たくないのねん!」

みたいなことを言って二階に引っ込むのだが、それをジョニデが「ちょっと様子を見てこよう」ってんでドアをトントン、ガチャ。ここからが凄い!

どう凄いかというと、表面的には何も脅しておらず、「体の具合はどうだい」とか「熱はあるのかな」と会話しているだけなのに、実質的にはメッチャクチャ脅しているのである。「震え上がる」とはこのことである。この場面の静かな迫力は見ものであった。

でも本当にそれだけの単調な作品だったので、どちらか迷っている人には観ていない方の「ブリッジ・オブ・スパイ」を強く推薦しておきたい。


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