先日、お客様の住所の中に「東町」という文字が出てきて、これを何と読むべきか、「あずまちょう」なのか「ひがしまち」なのか「あずままち」なのか「ひがしちょう」なのか、悩みに悩んで一時間近くも迷った。
お客様本人に確認の電話を入れたが、不在になっている。
仕方がないので市役所に訊いてみたら、
「何とか県なになに市東町4丁目2-4」
のような形の「東町」であれば教えてくれるらしい。
だが、今回の場合はそうではなくて、
「何とか県なになに市マルマル通り4丁目2-4メゾン・ド・東町」
なのであった。
こうなると「わからない」「お教えできない」の一点張りで、シャッターを目の前でビシャッ!と下ろすような応対振りであった。
もし、
「何とか県なになに市東町4丁目2-4 メゾン・ド・東町」
であれば、上の方だけが分かれば下の方も同じ読み方になる筈なのだが、そう都合よくはいかない。
結局、お客様から電話が来て教えてもらって解決したのだが、正解の読み方はちょっとここには書けない。なぜかというと、個人情報の漏洩に対して繊細なお考えをお持ちのお客様だからである。
さらにもう一つの理由は、正解がどれであっても読んでいる人の役には全く立たないからである。例えば明日、あなたの知り合いが「引っ越しました」という葉書を送ってよこして、その住所に「東町」という地名やマンション名が入っていたとしても、今回の正解は参考にならないのである。
「あっ、これは昨日の目さんのブログに書いてあったよ!あたし、読めるよ!」
と浮き浮きした気分で読んだからといって、それが同じ場所とは限らないので、読み方が大間違いになってしまうも知れない。
だから、先読みして親切な私はあえて正解を公表せず、謎を謎のままに放置しつつ、モヤモヤした霧のようなものを読者の胸中に残しつつ、泣く泣く今回はここで筆を置くことにする。