何でも日記:スイカ嫌いの弁

 

 

夏といえば、スイカ!

スイカはみんなが大好きだよー!

スイカを見ただけで、みんなが大喜びだよ~!

……という前提はどうにかならないものか。

 私はどういう訳か、子供の頃からスイカがまったく好きになれない。

「スイカ 嫌い」で検索する仲間たちのために、嫌いな点を幾つか挙げてみよう。

 

 

まずあの味。甘いけれども、はっきりしない水っぽい甘さ。

この点がまずダメで、たまにアイスやジュースで「スイカ味」なんてのが出てくると、もう目も当てられないほど没個性である。

次に舌触りというか食感で、あのジャリジャリした、甘い砂のような部分と、比較的筋肉質というか、鶏肉が甘くなったみたいな、筋のような果肉の部分とがあって、さらに黒い種が混ざっている。この不協和音ぶり、ハモってなさ加減、いわば逆ハーモニーが酷い。

さらにダメ押しで緑色の皮の部分の味のなさ。赤い部分までが一応は甘くて、色がなくなると味もなくなるという味気なさ。もともと赤い部分すら好きではないのに、そんな皮の内側なんて、もう見たくもない。けれども赤い部分が少し残っているだけで、食べ残し感が濃厚に出てしまう点も憎たらしい。

種だって、もうちょいプチプチした感じの、キウイの種が巨大化したような味にでもなっていればいいものを、まったく使い道のない不味さである。うっかり飲んでしまうと損をしたような気分になってくる。その辺に「ペッ」なんて吐き捨てるのが粋だと思って、勘違いしている連中も当然ながら気に入らない。

さらに食べるとビチャビチャして、水気が多過ぎるのでダメ。お上品な食べ物でないのは仕方がないにしても、口の周りや手や腕やお膳が全てビチャビチャになる。

スプーンを出されたりすると、かえって食べにくい点もダメ。あんな少しずつしゃくい取るみたいな、スプーンから落とさないようにゆっくり移動させて食べますみたいな、空中遊泳的な移動が面倒くさい。

あっ、また種の話に戻って、ときどき白い種が混じっていますみたいな、なにその騙し討ちみたいなやり方。そんな風に、二種類の種が混じっている果物が他にあるかよ!ふざけるのもいい加減にしろ!と言いたくなる。

それから叩く奴。叩いて味がわかるだの何だの、能書きを垂れながら叩く奴。デタラメに決まってるだろうと言いたい。一度でも実際に比較してみたことがあるのだろうか。

それからパカッと割った時に、妙に隙間というか空間が空いていたりするのも嫌だ。割れた時の音も形も、そこはかとなく漂う匂いも、すべてが醜い。

とにかく嫌な要素だけで出来上がっているようなスイカの分際で、「スイカは好きで当然」みたいに推してくる世間の同調圧力が気に食わないので、誰も見ていないタイミングで、見えないように売り物のスイカをぶん殴ってやりたい。今年もまた、クソ下らない同調圧力に抗して長い夏を乗り切っていきたいものである。

 

別の記事へジャンプ(ランダム)