「ゾンビ」

 

 

ゾンビ映画の基本中の基本、「ゾンビ」を観直してみた。

これが意外と長い話で、二時間二十分くらいの大作なのであった。

ショッピングモールに行くまでが長いし、着いてからゾンビを掃討するまでも割とあって、その後やっとヘルズ・エンジェルズみたいな連中が登場して「ゾンビよりも、本当に恐ろしいのは人間ですよ……!」というお約束的な感慨を持つに到る。

 

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この段階でのゾンビというものは、顔が青白くて、歩くスピードは普通の人間の30%くらい、しかも振り子のように左右に揺れながら、硬直した手を前に出して歩くというスタイルである。そのくせ襲ってくる時は妙~に素早いので油断ならないし、怪力があるようなないような、噛む力が強いようなそうでもないような、怪しげな存在になっている。そして、食べる際にはやけに大きな音をたてて「パクパク!ビチョビチョ!ボフボフ!ピチャズル!」となる点も近年のゾンビとは異なっている。

ところでゾンビよりも酷いのは暴走族連中だが、日本でテレビ放送をした際の改変ぶりはさらにそれらを上回る非道ぶりなのであった。

ウィキペディアによると、80年の初放映ヴァージョンではタイトルが

衝撃SFサスペンス ゾンビ 地球SOS 死者が甦った日」

に変えられた上に、音楽や台詞も変わっていたらしい。

 

特徴的なのは音楽で、多くが同じゴブリンによる映画『サスペリア』と『ローマ麻薬ルート大追跡』のBGMや、ジャン・ミシェル・ジャール軌跡』の曲(ショッピングセンターへ着陸する部分で流れる曲)へ差し替えられている。オープニングBGMには、イエスの『海洋地形学の物語』の曲が使用されている。台詞についても、内容を分かりやすくするために日本語吹替独自のものへ変更されている。冒頭のテレビ局で博士が自説を開陳するシーンでは「惑星イオスが爆発したために死者が甦った」などと、テレビ放映独自の設定が強調されている。また、フランの妊娠に対するピーターの立場は中絶を勧めるオリジナルと正反対となっており、ラストでヘリの燃料の残量を訊ねるピーターの台詞が「赤ん坊を育てる場所を見つけなきゃ」と「まかしときぃ〜!」へ変更され、ハッピーエンド色が強くなっている

 

「ハッピーエンド色」を強めてどうすると言いたいところだが、おそらくこのヴァージョンを小学生の頃の友達が見ていたのかと思うと「手加減してくださって有難うございます」という気もしなくはない。


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