しりとりの練習をする男

 

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「なあ松山、ちょっと話があるんだけど……」

「……(……ど?……ど、……どら焼き!)」

「今、いいかな?」

「あ、はい……(な……、夏休み!)」

「忙しかったらいいんだけど」

「いや、大丈夫です……(おいおい、また「ど」で攻めてきたか……、土曜日!)」

「昨日、西荒井店で苦情が入ったらしくてさ、困ってんだよね」

「……、あっ、苦情の電話ですか……(ね?……えーと、……ねずみ!)」

「そのお客さんが今日また店に来るんだって。夕方でいいからさ、ちょっと様子見てきてくれない?時間あったらでいいんだけど」

「……、ええ~……(また「ど」?うーん、ドーナツ!)」

「そんな嫌そうな顔しなくても平気だからさ、頼むよ、昨日の今日で悪いけど」

「……あっ、はい……(四回目かよ!……えー、土手!)」

「いつも来る人らしいんだけどね、一応ちょっと報告するしかないって流れになるからね、面倒かもしれないけど」

「……ええ、そうなりますよね……(連続で来るか!……ええと、)」

「仕方ないんだよ、人手がそもそも足りないから。結局、上も下も同じことなんだけど」

「……(まだ考え中でまた「ど」かよ!……ドイツ、ドブ川!ふう、やれやれ。また「ど」が来たら死ぬぞこれ。考えておくか、えーと、ど、ど、ど……)」

「まあ今日だけ、ちょっと頼まれてくれよな!」

「な?………あ、はい、了解です(な?って言っちゃったよ!まあ、梨でいいか)」

「何だよ、な?って、それが返事か?不服か?」

「いえいえ、そうじゃないです(急に「な」が来るから焦っただけですよ……蟹)」

「じゃ、頼んだぞ!」

「……はい!(……草履!)」

「ちょっと遠いかも知れないけど」

「あっ、大丈夫です……(大丈夫じゃねえよ!また「ど」かよ!わざとかよ!土木工事!)」

「それから、人の言った言葉の最後でしりとりの練習するのやめとけ、お前は世界的に有名なしりとりの選手らしいけど」

「すっ、すいませんでした!(……どんでん返し!)」