「悪女」

 

 

冒頭いきなりの殺戮シーンで、片っ端から悪い奴を何十人も殺戮しまくる。メチャクチャな勢いの殺戮、略して「メチャ戮(めちゃりく)」とでも呼びたくなるような凄まじさ、「悪女」というより「猛女」「烈女」「鬼女」とでもいった状態である。

 

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それで殺人者養成学校に入れられて、優等生ぶりを発揮しているうちに娑婆に出られるようになる、という流れは何となく「レッド・スパロー」と似ていなくもない。

その後、実は裏の顔を持つ男と恋に落ちる、というのも何となく「レッド・スパロー」を思わせる。唯一の泣き所が身内(老いた母親とか幼い娘とか)という点もそっくり。

しかし全体的にテイストや緩急のつけ方が異なり、次第に語り口のペースが落ちてきて、過去の話がちょいちょい入って、いつの間にか恋愛物になっていた、と思う間もなくまたアクションの連続になって、最後のやり過ぎ感あふれるアクションは冒頭以上の迫力で、しかしなぜかそういった場面の方が平凡な日常を描いた場面よりもずっと退屈で、欠伸が出てしまうという困った映画だった。

何となく続編があっても不思議ではない終わり方なので、もっと暴れてほしい(「悪女2」は世界規模で活躍、「悪女3」はゾンビと戦い、「悪女4」は悪女軍団が宇宙人と戦うといった感じで)。