人類の歴史は雑談の歴史である。
人類の歴史は雑談が始まった瞬間に始まった。
雑談に資格はいらない。
生まれたばかりの赤ちゃんですら雑談に参加することはできる。
雑談には始まりも終りもない。
雑談は大抵、雑談とすら思われていない。
「雑談するぞ」と決心してするのは雑談ではない。
雑談に目的はない。
雑談は娯楽の帝王である。
人生最後の雑談で人を笑わせた者は天国に行ける。
悪い雑談は喧嘩や論争に変化してしまい、それはもう雑談ではなくなる。
良い雑談は名残惜しいものである。
良い雑談は簡潔でも明瞭でもない。
良い雑談における発言は攻撃と守備を兼ね備えている。
次第に静かになる雑談と、次第に賑やかになる雑談、どちらも素晴らしい。
社会の良し悪しは雑談の量の多寡で決まる。
どれほど悪い王であっても雑談は禁じない。
雑談と最も相性の悪い場所は教育の場であり、またそれゆえに良質の雑談を生産してしまうのも教育の場である。
雑談は学問の対象にならない。
悪い雑談は沈黙の価値を教えてくれる。
発言しない者も雑談の構成員である。
人間は雑談をする唯一の動物である。
雑談によく出る話題の一位は常に天候である。
雑談…、それが人生だ。