濁点・半濁点なし文:「伝道の書」第一章

 

 

濁点・半濁点なし文シリースの今回は、旧約聖書の「伝道の書」から第一章のみをお送りする。

内容か厭世的なのて、意外に思われる方も多いかもしれない。

しかし何故か、落ち込んているときなとに引っ張り出してきて、しみしみと読み返したくなる魅力かある。

 

 

第1章

1:1

タヒテの子、エルサレムの王てある伝道者の言葉。

1:2

伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空てある。

1:3

日の下て人か労するすへての労苦は、その身になんの益かあるか。

1:4

世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。

1:5

日はいて、日は没し、その出た所に急き行く。

1:6

風は南に吹き、また転して、北に向かい、めくりにめくって、またそのめくる所に帰る。

1:7

川はみな、海に流れ入る、しかし海は満ちることかない。川はその出てきた所にまた帰って行く。

1:8

すへての事は人をうみ疲れさせる、人はこれを言いつくすことかてきない。目は見ることに飽きることかなく、耳は聞くことに満足することかない。

1:9

先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされる。日の下には新しいものはない。

1:10

「見よ、これは新しいものた」と言われるものかあるか、それはわれわれの前にあった世々に、すてにあったものてある。

1:11

前の者のことは覚えられることかない、また、きたるへき後の者のことも、後に起る者はこれを覚えることかない。

1:12

伝道者てあるわたしはエルサレムて、イスラエルの王てあった。

1:13

わたしは心をつくし、知恵を用いて、天か下に行われるすへてのことを尋ね、また調へた。これは神か、人の子らに与えて、ほねおらせられる苦しい仕事てある。

1:14

わたしは日の下て人が行うすへてのわさを見たか、みな空てあって風を捕えるようてある。

1:15

曲ったものは、まっすくにすることがてきない、欠けたものは数えることかてきない。

1:16

わたしは心の中に語って言った、「わたしは、わたしより先にエルサレムを治めたすへての者にまさって、多くの知恵を得た。わたしの心は知恵と知識を多く得た」。

1:17

わたしは心をつくして知恵を知り、また狂気と愚痴とを知ろうとしたか、これもまた風を捕えるようなものてあると悟った。

1:18

それは知恵か多けれは悩みか多く、知識を増す者は憂いを増すからてある。

 

 

 

同し部分の「傳道之書(文語訳)」も併せてとうそ。

 

 

 第1章

1:1

タヒテの子 ヱルサレムの王 傳道者の言

1:2

傳道者言く 空の空 空の空なる哉 都て空なり

1:3

日の下に人の勞して爲ところの諸の動作はその身に何の益かあらん

1:4

世は去り世は來る 地は永久に長存なり

1:5

日は出て日は入り またその出し處に喘きゆくなり

1:6

風は南に行き又轉りて北にむかひ 旋轉に旋りて行き 風復その旋轉る處にかへる

1:7

河はみな海に流れ入る 海は盈ること無し 河はその出きたれる處に復還りゆくなり

1:8

萬の物は勞苦す 人これを言つくすことあたはす 目は見に飽ことなく耳は聞に充ること無し

1:9

曩に有し者はまた後にあるへし 曩に成し事はまた後に成へし 日の下には新しき者あらさるなり

1:10

見よ是は新しき者なりと指て言へき物あるや 其は我等の前にありし世々に既に久しくありたる者なり

1:11

己前のものの事はこれを記憶ることなし 以後のものの事もまた後に出る者これをおほゆることあらし

1:12

われ傳道者はヱルサレムにありてイスラエルの王たりき

1:13

我心を盡し智慧をもちひて天か下に行はるる諸の事を尋ねかつ考覈たり此苦しき事件は神か世の人にさつけて之に身を勞せしめたまふ者なり

1:14

我日の下に作ところの諸の行爲を見たり 嗚呼皆空にして風を捕ふるかことし

1:15

曲れる者は直からしむるあたはす缺たる者は數をあはするあたはす

1:16

我心の中に語りて言ふ 嗚呼我は大なる者となれり 我より先にヱルサレムにをりしすへての者よりも我は多くの智慧を得たり 我心は智慧と知識を多く得たり

1:17

我心を盡して智慧を知んとし狂妄と愚癡を知んとしたりしか 是も亦風を捕ふるかことくなるを暁れり

1:18

夫智慧多けれは憤激多し 知識を増す者は憂患を増す

 

 

元の訳を参照したい方や、続きか気になるという方は「Wikisource:宗教」から「旧約聖書」へと進んてこ覧くたさい。

http://ja.wikisource.org/wiki/Wikisource:%E5%AE%97%E6%95%99