前編の続きで、後編はポイント5から!
ポイント5.長い理由を自ら説明するところがいい!
長い!
一文も全体も、長いところがいい!
ペロのエピソードだけで十行は行くところが豪快!!
しかし、そんな独特のスタイルの理由を自ら説明してくれているという、親切設計ぶりがいい!
この回を読むと、
僕の文章は人によってさんざに貶されたりたまにすごく褒められたりのムラがどうも激しいようでブクマが50を越えるような記事だと毎回少なくとも一つや二つは「読みにくい。お前頭悪いだろ」みたいな一言をコメント欄に残されるわけで
ああ!
やっぱり……。
と、少しは思ってしまいます!
でも、
まず最初に断っておきたいのは僕はこれまったく推奨しません
という風に謙遜されてしまうと、「そんなことない!」「そこまで卑下しなくてもいいだろ!」と思ってしまいます!
仮に推奨されたとしても無理でしょこれは、とも思いつつ、それでも、ついつい真似してみたくなるような魔力と魅力と中毒性があります!
でこの回も、例によって「原幹恵」「伊集院光」「サンタクロース」「室伏」「アインシュタイン」「YOU」といった人名や、
「なんか違うなと感じてる全員微妙な霧雨運動会」
といったフレーズを散りばめつつ、枝葉を取ってしまうと、
僕はいつだって関係ない話をしたいのです。
僕は、余すことなく言いたいんですね。目の前にあること頭の中にあることすべてを全部言いたい。
一言で言い表せない気分を割り切らずに言うやり方の一つ
といった辺りに見事に集約されているのではないかと思うので(野坂昭如、小松左京、町田康といった関西風の饒舌文体とか、ジェイムズ・ジョイス、あるいは「トリストラム・シャンディ」みたいな細部に微妙な仕掛けを凝らすタイプの小説とか、そういった文章との関連性を含めて褒めようという目論見もあったものの)、もう少し違った観点から褒めると、私はやっぱり言葉というものは相当に雑な道具だと思っていて、脳の外科手術をするのに鋸と出刃包丁だけでやろうぜ、みたいな大雑把な、信じられないほどの鈍感さをもって扱わないと扱えない代物じゃないかという意識があるので、つまり「一言で言い表せない気分」を粗雑に割り切っては前に進んでいるという自覚が根本的に
ない
のにどういう訳かあるつもりで繊細ぶって、聞いたこともないような植物の名称を織り交ぜて風流な文章を仕上げたりする随筆家の文章を読む時の気分とは逆の気分にさせてくれるところがズイショさんの文章を読む時に感じる「いい感じ」だと言って褒めたいです!
でもやっぱり後の話とも関係してくるので、「トリストラム・シャンディ」からの流れを汲む「中二階」はどうしても挙げておきたい。
- 作者: ニコルソンベイカー,Nicholson Baker,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1997/10
- メディア: 新書
- 購入: 6人 クリック: 61回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
というのはズイショさんの文章をもっと読みたい人、褒めたい人、好きな人はきっと、まるまる一冊かけて「昼休みにぶらぶらしながら考えたこと」について書いているだけの小説は好きになるに違いないからです(あと余力のある人は「ノリーのおわらない物語」と菊地成吼の文章も)。
- 作者: ニコルソンベイカー,Nicholson Baker,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
歌舞伎町のミッドナイト・フットボール ?世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間? (小学館文庫)
- 作者: 菊地成孔
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/02/08
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ポイント6.見立てが上手い!
先にちょっと触れた「霧雨運動会」もそうですが、たとえが卓抜!
見立てが上手い!
割と最近の回で、タロットカードの回がありましたけれども、
個人ブログをfeedlyで管理する際にタロットでカテゴリ分けすると捗る - ←ズイショ→
これは特に傑作!!
私は人物批評とか、会社の人事とか、芸能人の誰と誰がどういう関係でっていう噂話とか、その手の話こそが人類に共通する最強の娯楽の一つだと思っているので、にもかかわらずその手の話は下世話で下品で人を嫌な気持ちにも大いにさせる訳で、そこのところを絶妙にアッサリと、スポーンと音がするくらい越えたところで面白くさせちゃっている手腕が凄い!
で、ついでに「何かを何かに見立てる」系の話をすると、つい最近、実は私がこっちと併行して書いているもう一つの方のブログが、急にたくさんブックマークされたことがあったんですね。
今までブクマ数が、
「ゼロ~2くらい」
「3~9くらい」
「最高で15くらい」
「最高で30くらい」
「最高で50くらい」
という風に、一ヶ月ごとに少しずつ成長していって、あ~でもなかなか50を越えるのは急には無理だわと思っていた矢先に、60近くの新記録が出て、自分でかなりいい気分になっていたら次にいきなり、
280
になっちゃった回があって、正直びびりました。
で、そうなると何となく嬉しい反面、一回こっきりの極端なラッキーパンチが実力と関係ないところで炸裂しちゃった感もあって、成金的で何だか落ち着かない。
そこで精神の安定を取り戻すために考えてひねり出したのが、
「自分がされたブクマ数=地味な演歌歌手の売り上げ枚数(単位:万枚)」
説で、とりあえず自分は30万枚とか、58万枚とか、そういうそれなりに良いシングルヒット作が幾つかポチポチありつつ、280万枚の大ヒット曲も持っている演歌歌手みたいなものだなと。
そういう風に仮の自己をイメージして考えると自分の持っている数字、つまり記事ごとに上からよく見ると、280、59、58、51、45、37、35、34、29、というのは胸を張れる、誇れる成果ではないかと。
少なくとも、ゼロ、ゼロ、ゼロ、2、280、ゼロ、1、ゼロ、2、ゼロ、ゼロ、引退の歌手ではないんだぞと。
そのように考えてはみたものの、こういう当てはめ方が上手く当てはまって落ち着けるのって自分だけであって、自分用の尺度で都合よく自己満足しているだけで。
別に自己満足でもいいけど、他に当てはまる人はいないんかいと思って少し調べてみると……、
ズイショさんの記事のブックマーク数が最高249を筆頭に、100を越えている回がゾロゾロあるんですね!
249. まずは体罰の導入によってパフォーマンスが向上する事例があることを認めましょう218. 童貞根性は前外しのブラの夢を見るか
193. 2013年ジャンプ打ち切り漫画を振り返る
192. 妖怪ウォッチで思い出した、子ども騙しに子ども騙されてた甘苦い記憶
191. 都会に生きる北海道生まれが聞き飽きているフレーズを紹介します。
185. 説話・すごく正しい桃太郎
164. 「貴方が心配」って要するに「私が不安」って言ってるんだよね
159. 「秒速5センチメートル」とかいうポルノアニメを観ました
158.お前は俺ちゃうんかい
153. 花巻東・千葉くんの話にハラワタ煮えくり返っています
151. 面白い奴らが我が家にエアコンを取り付けに来た
149. 中華料理屋で小綺麗なババアが入店するなり開口一番「ヒレカツ弁当!」つったら熊みたいな店長が食い気味で「うち中華料理屋ですよ!」て言った話をします
145. 愛する人と長く付き合うための努力としての一事例
129. 個人ブログをfeedlyで管理する際にタロットでカテゴリ分けすると捗る
124. ワンピース苦手な人向けワンピースの面白がり方を喋る練習をしてみます
116. 店内でコンビニ弁当を自前の弁当箱に詰め替える子連れの女性を見た、という話を聞いた
114. 共感力に乏しい人間は意識的に相手の不自由に寄り添うほかない
97. 小保方STAP騒動を大山のぶ代とアルカノイドに置き換える
96. 原始人との忘年会で役立つ飲みニケーション術
これは凄い!
しかし、数字を「万枚」に置き換えてみると、とても演歌歌手で該当しそうなイメージの人はいなくて、そうすると誰がうまく当てはまるかなと思って調べてみたら……、
愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない 202.1
LOVE PHANTOM 186.2
BLOWIN' 176.4
裸足の女神 173.6
ねがい 149.9
Don't Leave Me 144.4
love me, I love you 139.4
MOTEL 131.6
ZERO 131.1
LADY NAVIGATION 117.3
Real Thing Shakes 114.1
今夜月の見える丘に 112.9
ALONE 112.7
Calling 100.0
HOME 96.1
ギリギリchop 80.5
うーん、100越えが多い!
かなり近い数字!
しかも微妙にズイショさんの方が勝ってます!
という訳で、
「ズイショさんの被ブクマ数≒B'zのシングル売り上げ枚数(単位:万枚)」説
なんですけど、単に数字だけではなくて、言葉の雰囲気的にも近いです!
B’zのニューシングルのタイトルが、
「お前は俺ちゃうんかい」
とか、
「子ども騙しに子ども騙されてた甘苦い記憶」
とか、
「愛する人と長く付き合うための努力としての一事例」
とか、
「共感力に乏しい人間は意識的に相手の不自由に寄り添うほかない」
とか、
「まずは体罰の導入によってパフォーマンスが向上する事例があることを認めましょう」
とか、
「店内でコンビニ弁当を自前の弁当箱に詰め替える子連れの女性を見た、という話を聞いた」
とか、本当に提案したいくらいアリじゃないですか!
こういう見立てとか、脱線したくなる引力みたいなものを常に感じてしまいます!
あとついでに書くと、さっきの「中二階」を訳した人の書いた「なんらかの事情」という本があって、これもお正月の飾りつけやアイテムのあれこれを変わった方面から違うものに見立てていてお勧めです!
ポイント7.読者に対して誠実な姿勢!
自分のブログの読者に対して、自薦の回をきちんと案内している!!
これは意外とやっている人が少ない!
自画自賛を避けるような風潮が日本にはありますが、そこを承知であえて、つい最近来たばかりのニュー読者への配慮を怠らない!
これは見習いたい、他の人も見習うべき態度です!
さらに、
コメントをくれた人へのお礼まで!
腰が低い!
イッキ読み報告ってのは、本当にありがたいもんです
ホントにその通りで、なかなか過去ログの一気読みはされないものですし、報告は尚更されないものですが、これもやはり「わざわざお礼を書く」というのが、するかしないか、あえて流すべきかとあれこれ迷うところには違いないので、そこを「する」というのはかなり勇気と気力が微妙に必要な、でも気づかれにくいところでもあって、そういう所を末永く称えたいです!
ポイント8.例外的な回がいい!
ドラマでもアニメでも、割とノーマルな回でなくて、たまに「番外編」みたいな回がありますけど、個人的にすごくそういう、
「ウルトラマンが怪獣を倒さなかった!」
的なテイストがツボなんですね。
ズイショさんのブログで感銘を受けた回がいくつかあって、最後に二つだけその手の路線から紹介しつつ褒めます!
まずはこの回、
面白い奴らが我が家にエアコンを取り付けに来た - ←ズイショ→
何と冒頭から、
過去最短エントリ狙える話をします。
で、そう宣言しておいて外すっていうパターンでもなくて、
「本当にすぐ終る!」
という驚愕を味わえる回ですけど、「目の前にあること頭の中にあることすべてを全部言いたい」人の敗北宣言みたいな調子で始まって終るというイレギュラーな回なんですね!これは驚き!
あともう一つはこの回、
説話・イヌさんとキツネさんとタヌキさんとウサギさん - ←ズイショ→
普段の回とは違っていて、ブクマ数に反映されないところでひっそりと誰かの心の琴線に触れるような、実に何とも「一言で言い表せない気分」が描かれているので、後世のはてなブログ研究家とか、そういった人も含めて、この回だけは特に読み逃しては駄目と釘を刺しておきたいです。
という訳で、結局かなり長大化して目がショボショボ、手はヘトヘトになっているものの、
最後は元気よく!
せーの!
「褒め褒めローック!!」
\(>o<)/ \(^〇^)/ \(>〇<)/ \(^〇^)/ \(>o<)/