チラシの裏の豆知識:生誕百周年

 

 

id:fktackさんの「意味をあたえる」を毎回読んでいる私は、小島信夫の小説を読まないと内容についていけなくなりそうなので、最近だんだん不安になってきた。

そんなことを思いつつ、本棚を整理していたら、買ったことをすっかり忘れていた日本文学全集の小島信夫の巻が出てきた。

年譜をチラッと読んでみると、何と今年で小島信夫は生誕百周年なのであった!

このことだけをドラマチックに書こうと計画していたのだが、同じ1915年生まれの人のリストを読んでいたら、他にも有名な人物が大勢いるので、一月から順番に紹介してみたい。

 

http://www.d4.dion.ne.jp/~warapon/data00/year/birth_1915.htm

 

まず一月は、いきなり

 

 1915/01/02 柳家 小さん 〈5代目〉 (やなぎや・こさん) 【落語家】 〔東京都〕

 

小さんと言えば談志の師匠ではないか。

何となくこの人は生まれた時からずっと年寄りで、あさげやゆうげを飲んでいるイメージしかないが、この人のタコの物まねは非常に面白い(もちろん落語も面白い)。

 

CDブック 五代目柳家小さん落語全集

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 1915/02/28 小島 信夫 (こじま・のぶお) 【作家】 〔岐阜県

 

二月は小島信夫で、同じ月に野間宏水の江滝子 もいる。「だから何なんだ」と言われそうだが、ただ誕生日が近いというだけで何か意味がありそうに見える所がいいではないか。

 

三、四、五月は飛ばして六月に、

 

 

1915/06/08 ロバート=F=ヤング (Robert Franklin Young) 【SF作家】 〔アメリカ〕
1915/06/09 レス=ポール (Les Paul) 【ミュージシャン】 〔アメリカ〕
1915/06/10 ソール=ベロー (Saul Bellow) 【作家】 〔アメリカ〕

 

 

三日連続でやや変わった組み合わせで面白い。

しかしまあ、どの部分を切り取っても意外な組み合わせしかないし、誕生日が近くてジャンルも同じ有名人なら、それもまた面白いのである。

 

 

1915/06/15 山本 夏彦 (やまもと・なつひこ) 【コラムニスト】 〔東京都〕

 

 

山本夏彦も存命なら今年で百歳!

この人はつい最近まで生きていたという感覚があるので、私の中ではまだ現役感が抜けきれていない。

 

百年分を一時間で (文春新書)

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また少し飛ばして、

 

 

1915/08/24 ジェイムズ=ティプトリー Jr. (James Tiptree,Jr.) 【作家】 〔アメリカ〕

 

 

 

これもやや意外、男性作家と思われていた期間が長く、最後の死に方も劇的だったのでよく覚えている。

すぐ何日か後に、

 

 

1915/08/28 ターシャ=テューダー Tasha Tudor 【絵本作家】 〔アメリカ〕
1915/08/29 イングリッド=バーグマン (Ingrid Bergman) 【女優】 〔スウェーデン

 

 

という二人もいる。

バーグマンはずっと二十代というイメージしかないので、小さんとはまるで逆である。「二十世紀を生きた女性」として三者三様な同じ月生まれの三人である。

 

同じ誕生日つながりで言うと、

 

 

1915/10/17 殿山 泰司 (とのやま・たいじ) 【俳優】 〔東京都〕
1915/10/17 アーサー=ミラー (Arthur Miller) 【劇作家】 〔アメリカ〕

 

 

 

三文役者のニッポンひとり旅 (ちくま文庫)

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アーサー・ミラー〈1〉セールスマンの死 (ハヤカワ演劇文庫)

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という、役者と劇作家という組み合わせの二人がいる。

 

さらに11月になると、

 

 

1915/11/12 串田 孫一 (くしだ・まごいち) 【哲学者、詩人】 〔東京都〕
1915/11/12 ロラン=バルト Roland Barthes 【哲学者、批評家】 〔フランス〕

 

 

なかなか味のある同日生まれの哲学者コンビもいる。

 

最後は12月に三連続で、この組み合わせ!!

 

 

1915/12/12 フランク=シナトラ Frank Sinatra 【歌手、俳優】 〔アメリカ〕
1915/12/13 ロス=マクドナルド (Ross MacDonald) 推理小説作家】 〔アメリカ〕
1915/12/14 戸板 康二 (といた・やすじ) 【作家】 〔東京都〕

 

 

この面子もなかなか面白い。

ロスマクと戸板康二ならミステリつながりだし、三人とも洒落っ気があって、ダンディの星の下に生まれついたという雰囲気がある。

 

Sinatra: the Best of the Best

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さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)

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團十郎切腹事件―中村雅楽探偵全集〈1〉 (創元推理文庫)

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という訳で、この人たちが全員そろって生誕百周年である。

私が書店員なら「生誕百周年フェア」を企画するのではないかと思う(何なら毎年やってもいいのではないだろうか)。

 

 

 ついでに書いておくと、書かれてから百五十年という1965年刊の「不思議の国のアリス」も盛り上げようという動きがあるようだ。

 

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