「ソロモンの儀証 前篇・事件」を観てきた。前回いつだっけと思うほど邦画を映画館で観たのは久しぶりだが、筋や重要事項のネタばれにならない程度に感想を書いておこう。
感想1:ホラーか!と思うような場面がチラホラあった。
というのは画とか、音とか、泣いているのか笑っているのか分からないような奇妙な声とか、変に煽るような構図とか、ぎょっとさせるようなタイミングで出てくる人とか、そういった驚かせ方が下品といえば下品だった。しかし全体的にシリアスで緊張感のある場面が続くので、下品な驚かせ方をする箇所がひと息つける場面を兼ねてもいるほどである。
感想2:最初は割と普通の事件(中学生の死)→真相がはっきりしないまま捜査うちきりというパートで、次が学校内裁判のに到るまでの過程の面白さを描くパート、で後篇は法廷物がメインになるらしい。2番目のパートがまだ途中で、さあこれからというタイミングでいきなり「続きは後篇で!!」とブッツリ切られてしまう。
この真ん中の部分がダレているようで実は最も面白い部分ではないかと思ったのだが、とにかくあの手この手で妨害されたり、上手く行ったり行かなかったりの連続になるのである。
おそらく原作ではこの辺りの一進一退をじっくり描いている筈なので、観客としては読んでもいないのに端折られたような印象が残る(よく言えばスピーディで飽きさせない)。「後篇・裁判」の公開が4月11日なので、それまでに原作を読むべきか、我慢して待つべきか、そこが悩むところである。
感想3:この映画の事件が起こるのは1990年であるが、90年代っぽさが感じられるのは、ビリヤードで遊んでいる姿とテレビ局関係者のメガネのフレームの形くらいなもので、ほとんど2015年と大差なかった。
音楽ライターをやっているチャラい母親がブルーハーツのことを嬉しげに喋っていたが、演じているのが永作博美なので「お前、その頃はリボンとして活躍してたやんけ!」と言いたくなった。
「90年」というと自分にとっては「カメラ・トーク」と「月面軟着陸」の年で、この二枚ばかり聴いていたせいで、ブルーハーツは1秒も聴く暇がなかったように思う。
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ここまで書いてやっと思い出した。映画館で邦画を観たのは「悪人」以来である(邦画関係者の皆さん、どうも済みません)。