我が家の周辺では、週に2,3回ほど「迷い人のお知らせ」が大きな音で流れてきてうるさい。
しかし、うるさいからやめろとも言い難い内容なので黙って聞いている。
こち~らは。防~災~〇〇です。
〇〇警~察署から、迷い人の、お尋ねをいたします。
〇〇市、大字××に、お住~まいの。
47歳の女性が、本日、午前6時ころ。
埼玉県△△病院を出てから、まだ、戻って~いません。
ただいま、捜しています。
女性~の特徴~は。
身長157センチメートル、やせ型で。
頭~髪は肩までのストレート、服装は。
灰~色Tシャツにズボンをはき。
眼鏡を着用~しています。
お心当たりの方は、〇〇警察署まで。
ご連絡~ください。
(ボフッ、ブツッ)
およそこういう放送内容である。
この手の放送が流れるのは仕方がないとして、その後「発見されました」という放送は一切ない。
普通に考えると、わざわざ「先日放~送~した、やせ型の女性~は、無事に、保護され~ました」などと放送する必要はない。緊急性が薄いだけに、ますます市民からはうるさがられそう(特に私から)で、苦情が殺到することが予想される。よって、放送しない。
変な風に考えると、迷い人となったお年寄りは全員、行方不明のままなのである。それどころか、警察が悪徳業者とグルになって、探す振りをして時間を稼いで、その間にどこか遠くの国にでも売り飛ばしているのかもしれない。
あるいは、誰も本当は行方不明になどなっていないという可能性もある。市民を不安のどん底に落とし入れるために、それだけの目的で次々と迷い人のアナウンスを流しているのかもしれない。
「こんなに人が減ってしまっては大変よ!」
「そうだ、出生率を上げなくては!」
と、人々が人口増加のために結婚したり出産したりするように、誘導してやろうという魂胆なのかもしれない。そう考えてみると、この放送も多少は興味深くなる。