フランク・キャプラの映画の良さを知ったのは十年くらい前で、確か「或る夜の出来事」か「スミス都へ行く」か、どちらかに感銘を受けたのが切っ掛けである。
その後で続けて、「オペラハット」「毒薬と老嬢」「我が家の楽園」なども観た。どれもこれも題名で損をしている気がするが、中身は面白い。中でもやはり代表作は「素晴らしき哉、人生!」でほぼ決まりということに世間ではなっている。これもやはり題名は古臭いが内容は面白くて、最初から最後まであらゆるエピソードや描写が二次利用、三次利用されて全く無駄がない、お得な感じがある。
十年くらい前に観て、そのままほぼ内容を忘れてしまっていたのだが、観直してみると、とにかく悪役が悪い!強い!良いことをするチャンスがあっても悪い態度を貫き通す!という三拍子揃った極悪人だった。ここまで悪いといっそ痛快というか、主人公を虐げまくって、生涯を通じてずっと悪いままで何のお咎めもなし、という稀有な存在であることに気づいて感心してしまった。
今だとこの映画は「バタフライ・エフェクト」の後の口直しのデザートのように味わわれるべき作品なので、あれを観て凹んでいる人には強くお勧めしたい。
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最悪なのは「素晴らしき哉、人生!」を観てから「バタフライ・エフェクト」を観て落ち込んで死にたくなってしまうコースだが、その時はもう一回「素晴らしき哉、人生!」に戻って、思いとどまってほしい。