この映画は20年くらい前に映画館で観たのが最初で、当時はとにかく何を喋っているのか聞き取りにくいので面食らった。
「娯楽映画なのに、日本語なのに、何を喋っているのかまったく分からない!」
というショック、
そして、
「もしかしたらこのまま2時間以上、何も理解できないのではないか?」
という恐怖を味わった。
今回は三度目か四度目なので、内容を知っているだけに聴きやすかった。
幸田露伴の小説に「おっぺしょれる」という変な動詞が出てきて、そんな言葉があるのかと驚いたことがあったが、この映画の最初の方にチラッと出てきた。
「おったまげる」とか「おっぴろげる」のように、「おっ」という接頭語があって、そこに「へし折れる」が付いたものらしい。
台詞の分かりにくさがあっても比較的ついて行きやすいのは、音楽の効果ではないかと思った。迫力のあるシーンではそういう音楽が流れ、危機を脱してホッとするような時はそういう音楽が流れるので、それでかなり補われている。街に入ると途端に弦の音がスッと入ってくる場面など、ただ音楽だけで説明が済んでいる。