「鬼平犯科帳」を最初に読んだのは高校の頃で、当時から世評が高かったので期待して読んでみたものの「何の捻りもない、似たような話が多い」「ただ鬼平が強いだけ」としか思えなかった。
さらに、植草甚一が解説を書いていたりして、
「何回読んでもしばらく経つとすっかり内容を忘れる、そしてまた読む」
といった発言の意味がさっぱり理解できなかった。一度でも読んだのであれば、その内容を完全に忘れることの方がずっと難しく、無理に「やれ」と言われたとしても不可能としか思えなかったのである。
その後、今に至るまで数冊程度しか読んでいないが、その間に歌舞伎の舞台で観たこともあるし、つい先日ドラマが終ったと思ったら今度はアニメが始まるという。かれこれ数十年もずっと人気作品であり続けているというのは一体、何がそこまで凄いのであろうか。
いま少し風邪気味なので、まとめて読もうと思って調べてみると、またもや新装版(というか決定版)が出るらしい。
そうなると1巻のイメージが定まらないので、だから困るという訳でもないのだが、今の装丁が割と好きなので名残り惜しい気がする。
↑ちなみにこれが、最初に読んだ時の「鬼平犯科帳」である。
「決定版」はこちら。アニメの帯が大きすぎて見えないが……。
やはりどうも、公平に見て現在の装丁が一番良いという気がするので、この機会にずらっと並べておきたい。
ついでに、「鬼平犯科帳」と私というお題も作ってみたので、書きたい方はぜひどうぞ。