おそらく人生で5~8回くらい観ているが、何が起こるか全てわかっていても面白い。それが「裸の銃を持つ男」である。
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- 出版社/メーカー: Paramount Home Entertainment(Japan)Limited(CIC)(D)
- 発売日: 2007/08/24
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そして、面白さのレベルが最初から最後まで高く、それがずーっと続く点が何よりも素晴らしい。
どの場面でも一貫して「してはいけないこと」をお約束のごとく律儀に行う。野球場では歌手になりすまして国歌を下手に歌い、審判になりすましてデタラメな判定を下し、審判同士で喧嘩する。それが乱暴ながらも何となく捜査に必要な手段を選んでいるように見えるから不思議である。
人だけでなく、物や世界のデザインのされ方も全てが可笑しい。ベッドのスプリングは効きすぎているし、至近距離で発砲しても弾が当らないようになっている(敵味方ともに)。車は必ず何かにぶつけて停めるが尾を引かず、いっさい言及されない。それでいて、過去の事件では無関係な人を射殺したとか、重大事をあっさり台詞で処理する。
自分で駐車しそこねた車が暴走して炎上する場面など、犯人が自分であることに途中から気付いて、それを誤魔化そうとしている表情が実に愉快で、意味もなくエアバッグからエアバッグが生えるようにモコモコしている形まで楽しい。