「映画 立川談志 ディレクターズ・カット」は晩年の「芝浜」のほぼ全体を収録している。
本人も言っているように、あまり談志らしさのない噺で、それでも上手にできてしまう。しかしそれ以外の部分は編集の仕方が勿体ない。もっと破天荒に、無軌道に、ハチャメチャに生きた頃の映像もある筈なのにスパッと刈り取られてまとめられちゃったという感じ。
談志の噺はCDで20~30席くらい、DVDでも同じくらい見たり聴いたりしたくらいの知識しかない。印象深いのは「金玉医者」で、このキャラクターは実に独特で、その辺にいそうで、訳がわからなくて良い。こういう噺こそ後世に残ってほしい。