ミキプルーンのCMにおける中井貴一は、人力車を引いている。その図からして妙だが、お客様の会話をじっと背中で聞いて、勝手に話に入るところが良い。
客が「海外にミキプルーン農園があるらしい」と白々しく言いかける。こういう風に、企業の側が伝えたいことをストレートに言う(というかタレントに言わせる)のはわざとらしくて視聴者は好まない筈だが、中井貴一が「カリフォルニアですよねえ」と割って入るせいで、そちらに意識を持っていかれる。
会話に割って入るのも、言いかけている人にかぶせるように言うのもマナー的にはダメだが、ナンセンスな設定と展開で、しかも自然な流れになっているせいで、どちらも嫌味にならない。
さらに「中井貴一に似てません?」と指摘されて堂々と「似てません」「違います」と言い張る点もナンセンスで楽しい。こういうすっとぼけたユーモアが日本から絶滅しそうなので、このCMはこの路線で頑張ってほしい。
ちなみに「ミキプルーン」というのは食べたことがないし、実は味すらよく知らないのだが、ジャムみたいな健康食品なのだろうか?