オネーギンによる鉛筆の教え

 

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 こんな夢を見た。
 オネーギン、というのは姉のことである。
 幼い頃からそう呼んでいるオネーギンが、色鉛筆を三十本ほど机に用意している。
「この鉛筆を折ってみなさいよ」
「いやだよ、もったいないじゃないか」自分は拒否する。「三本の矢じゃあるまいし」
「違うって」
「何が違うんだよ」
「どうしても大事なことを伝えたいっていう、オネーギンの気持ちがわからないの?半分くらいは意味の無いことだけど、それでも弟の心に届けたいのよ」
「じゃあ一本だけ折るよ」
 折ってみると、芯から血が一滴、ポタリと落ちた。
「何だこれ」
 続けて何本か折ると、どの色鉛筆からも赤い血が一滴だけ落ちる。
 オネーギンの目からも赤い涙が流れていた。
「鉛筆は生きているのよ」