ところてん光線

 

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 こんな夢を見た。
 月の出ている夜、大学の研究室にいると、唐突に弟が来た。
 今の自分には弟の姿が見える。
 面白がるかと思って、研究中のボックスを見せてやった。
 まっ黒で細長いボックスの一端に、丸い穴が開いている。
 この穴に、懐中電灯の先だけを入れる。
 部屋を暗くしてから点灯スイッチを入れると、光の筋がボックスの反対側からグニャ~ッと出てくるのだ。
 これを皿で受けて、酢醤油と青海苔をかけて食べる。
 月夜だから窓の近くに座って、二人で食べた。
 食べ終わっても、口の中がまだ光っている。
 光る口で弟が訊いてきた。


 この中の仕組みはどうなってるの

 お前にも分かるように説明してやろうか。

 うん

 つまり、光の速さというのは大まかにいうと、光速と同じスピードだ。

 それならわかるよ

 わかってないだろうな。まあいいけど。

 ちゃんと教えてよ

 ブラックボックス内に光をうんと遅くする空間があって、そこで光をこねて、叩いて、延ばして、心太(ところてん)の形になるように押し出すんだ。

 そういう仕組みなんだ

 ちなみに100円ショップの電池より、ソニーの古い単三電池の方がずっといい味だったぞ。

 今度、持ってくるからやってみてね

 帰りは夜道で、お腹が光るから気をつけるんだぞ。

 うん、お兄ちゃんバイバイ

 じゃあな。

 また来るからね

  
 そして弟は光りながらあちらの世界に帰っていった。来たときと同じように、唐突に。