自分がなぜ「それ」「そのこと」について知っているのか分からない、ということが次第に増えてきた。その例をひとつメモしておこう。
先日「スリー・ビルボード」の感想の中でフラナリー・オコナーの作品についてちょっと触れた。しかし「善人はなかなかいない」という短編を自分がいつ、どこで、どのようにして読んだのか、なぜそのタイトルと内容をある程度は知っているのか、実はまったく思い出せなかったのである。
前々から新潮文庫のフラナリー・オコナーの短編集は持っているが、これには収録されていないし、「全短編」はついこの間まで入手が難しかった。ストレートに「善人はなかなかいない」というタイトルの短編集もあるものの、これは読んだ記憶どころか、手にとったこともない。
- 作者: フラナリーオコナー,Flannery O'Connor,横山貞子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/05
- メディア: 単行本
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こういう時は何をどう調べると答が出てくるのか、難しいところである。
譲った本がまた欲しくなった。『厭な物語』というアンソロジーだ。ただ一作フラナリー・オコナーの作品が再読したかったからだが、このフラナリー・オコナーの全短篇集の上下巻も手放してしまったのであった。まあ、読み直したいのは、『厭な物語』に入っている「善人はなかなかいない」だけだけれど。
— 田中宏輔 (@atsusuketanaka) August 8, 2018
今回はツイッターのキーワード検索によって「フラナリー・オコナー」で調べて、色々な発言を読んでいてやっとわかった。
文春文庫の「厭な物語」というアンソロジーで読んでいたのである。
- 作者: アガサクリスティー,モーリスルヴェル,ジョー・R.ランズデール,シャーリイジャクスン,パトリシアハイスミス,Agatha Christie,Shirley Jackson,Patricia Highsmith,Joe R. Lansdale,Maurice Level,中村妙子,深町眞理子,小倉多加志,田中早苗,高山真由美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/02/08
- メディア: 文庫
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ちなみにこのアンソロジーの中では「赤」という短編が猛烈に印象深かった。あまりにも厭な感じが強烈だったので、オコナーの厭さ加減が薄れてしまったらしい。