インスト盤のような「映画の抜け殻」

 

 

優れた歌詞についてあれこれ論じているのを読むのも、自分が話すのも面白いですけど、並みの歌詞ならいらないんじゃないの、というのが正直なところで、

 実際にたとえば、sweet william を聴いていても、最も好きなのは「Blue Instrumentals」と、

 

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「Jasmine Instrumentals」なんですよね。この人は「おじさんホイホイ」と称されるほどアダルト層に人気があるらしいです。

 

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何が言いたいかというと、前々から「映画に音楽はいらないような気がする、できれば音楽なし機能をつけてほしい」と考えていたのがエスカレートして、「音楽に歌詞やラップはついてなくていいです」になりつつあるということです。

これがさらにエスカレートすると、「二度も三度も観た映画は、もう俳優いらないから、風景や部屋の中だけ映しておいて」という風になるのでは。そのくらいの機能、つまり自動的に、役者の体で遮られて見えない部分は補正して再現する映像上の技術は十年後くらいにはできそうだし、そうなったら人のいない「東京物語」とか「生きる」とか「ジョーズ」とか「ショーシャンクの空に」なんかが自動的に生産されて、何というかそれは「映画の抜け殻」みたいに思われて、非難する人も大勢いるかもしれませんが、いやきっと大勢いるでしょうが、そういうものを好む層も一定数はきっといるでしょうね。

 

できれば愛を(初回限定盤)

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今だってカーネーションや坂本慎太郎の新譜はヴォーカル抜きのインスト盤が初回限定でついてきたりしますからね。