ワクチン接種の一回目にやっと行ってきた。あまりにも簡単に終わってしまったので呆気ない。
できるなら時代劇のチャンバラのような効果音つきで「ズブリュ!!」と射し、薬液が押し出されて内部の薬液が「ドクンドクドク……」と体内に入り、また抜く時に「ズビビョ!!」と大げさ感を出してほしい。
注射された方は肩から血を流しながら傷口を押さえて、
「貴様、俺の体に何を……し……(ガクッ)」
と力尽きて、気絶する。
しばらくすると病院のベッドで目が覚めて、
「こ、ここは……?」
「うふふ、お目覚めかしら?」
と美人看護士から何かの説明を受けるのだ。何かの説明……と言っても、入院したことすらないのでよく分からないが、本当に注射の前は暇すぎて困るほどで、そういう妄想にでも浸る他ないのだった。
打った後は一緒の時間に注射した人と、反ワクチン派の人って何なんでしょうとか、変異株はいつまで変異するんでしょうとか、そんな話をした。注意すべき点は、激しい運動をしない、長風呂はしない、酒は飲まないなど。