今日は2014年10月23日で、今は第62期王座戦五番勝負の第5局が指されている最中である。
羽生善治王座と豊島将之七段(挑戦者)の対局で、横歩取りとなった。
もし豊島七段が勝てば、新王座誕生ということで「もう羽生の時代は終った」「これからは豊島君の時代」などと騒がれることになるかもしれない。そうなっても不思議ではない。逆に、羽生王座が連続記録ほかの記録をまた伸ばしても不思議ではない。
しかし本日の結果に関係なく、そう遠くない日に「人工知能が羽生に勝つ」と断言されるようになってきた。
ankoro - 『2045年に人工知能は人類の知能を超えられるのか?──…』 へのコメント
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"羽生問題"
2014/10/23 15:03 にブックマーク
「正確に2045年かどうかわかりませんが、ある尺度で考えた時、人工知能の能力が今世紀半ばに人間の能力を超えるというのは当然だと思うし、素直な考えだと思います。
どんなに遅くても21世紀中には実現するでしょう」
「数年以内にコンピュータが羽生さんに勝つことは間違いありません。これはけっこうなインパクトを世間に与えるはずで、われわれの間では"羽生問題"と密かに呼んでいます。日本人にとって羽生さんというのは、ある種の象徴でもあるわけです。コンピュータがその羽生さんに将棋で勝利したとなると、日本人のコンピュータに対する見方ががらりと変わる可能性があります」
いま現在、電王戦という「プロ棋士vs将棋ソフト」の対局イベントでは「プロ棋士がソフトに負ける」という結果が多くなっている。上に超がつくほどの一流どころはまだ出ていないが、そこそこの実力者や期待の新鋭でも負けており、私も羽生名人がソフトに負ける日はそう遠くないと考えている。
少し前に話を戻すと、私が子供の頃は「コンピューターは将棋では人間に勝てない」と断言されていた。なぜなら「将棋は駒の再使用があるため、計算がうんと複雑になるから」というのがその理由で、チェスの名人がソフトに負けた頃もまだ同じ理屈で、将棋は別格のようなことが言われていた。
しかしいつの間にか「羽生は数年以内に負ける」と断言されるまでになってしまった。コンピューターの性能は指数関数的に発達するから当然だというのが今の常識らしいが、その先はどうなるのかという点に関してはまだ誰も明解なヴィジョンを持っていない。明らかに羽生より強いソフトが十種類とか百種類になったとして、人間のプロ棋士同士の対局は続けられるのだろうか。
以前、羽生名人自身はこのように答えている。
将棋がコンピュータによって完全解明されてしまったら、どうするんですか。という質問に、羽生はケラケラ笑いながらこう答えた。
「そのときは桂馬が横に飛ぶとかルールを少しだけ変えればいいんです」
(※週刊ポスト2014年5月2日号)
これはちょっとした冗談としては面白いのだが、本当にその先は(将棋に限らず)どうなるのかという興味が自分の中にはあるので、今後はこのブログ内で未来予測とシンギュラリティ関連の本やウェブ上の記事、映画などについて少しずつメモしておくことにする。
2045年問題 コンピュータが人類を超える日 (廣済堂新書)
- 作者: 松田卓也
- 出版社/メーカー: 廣済堂出版
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とりあえずこの本を読んでみたものの、平易すぎて新しい視点とか、びっくりするようなヴィジョンは無かった。物事を何でも小難しく書く人の反対で、何でもわかりやすく丁寧に書くようなタイプの人である。よく言えば中学生でもすらすら読める入門書、悪く言えばここに書いてあることはNAVERまとめで「2045年」「シンギュラリティ」関連の記事を斜め読みすればわかる。ただし、まとめている人もこの本を参考にしているようなので、どちらを選んでもゴールは同じである。