「長崎ちゃんぽんリンガーハット」で「食べるミルクセーキ」というシャーベットとかき氷を混ぜたようなデザートを出している。
このメニューには「スモール」と「レギュラー」がある。
小さい方のスモールを注文したところ、出てきた器が意外と大きかったので、おそらく間違えて「レギュラー」の方を持ってきたのだなと思った。
「まあ別にいいか……、俺は寛大な人間なので、抗議したりはしないのさ……」
と心の中で格好をつけながら食べていた。
しかしもう一度、メニューの写真をよく見ると、レギュラーは器の最下部がブニュッと広がっている。自分の食べている器はそうではないので、間違いなくスモールなのだなと確認できた。
ただ、メニューの写真よりも、実際のスモール用の器はずっと大きく、縦長なのであった。
むしろレギュラーの写真の方が、実際のスモールによく似ている!
と言いたくなるほどに……。
このメニューの写真ではスモールをわざわざ上から撮って、小さく見えるようにしている!
としか思えないほどに……。
世間では、写真だけは立派なくせに、出てきた料理はショボいという例が多すぎるため、それが当たり前だという考えにすっかり染まってしまっていた。
ところがリンガーハットでは、大きめのスモール器をわざと小さめに撮るという謙虚さである。
ウソだと思う人がいるなら、実際にその目で確かめてみてほしい!!
などと興奮気味に訴えてみたが、たまたま今日あった出来事を大げさに書いているだけである。
ところで「長崎ちゃんぽんリンガーハット」は、短歌でいう下の句にぴったり当てはまりそうな字数である。
その辺の俳句を持ってきて、次に「長崎ちゃんぽんリンガーハット」をつけるだけで短歌のような雰囲気になる。あるいは、短歌を作っていて下の句が思い浮かばない時に「長崎ちゃんぽんリンガーハット」を仮に入れておけば便利である。