「毎週日曜日に急死するブログ」
というタイトルで、内容もその通りのブログがあったらどうか。
ついつい気になって、毎週必ず読んでしまいそうである。
そのブログはごく平凡に、普段(平日)はテレビ番組の感想を書いたり、はてなブログのお題に応えていたりする。
そして、日曜日になると必ず急死する。
「それじゃ午後11時半ですが、そろそろ心臓発作で急死します(ガクッ)。」
という具合に終る。
普通の読者は、
「ああ、……今週もまた、この人は急死してしまったか」
と寂しく思いながらも、どうせまた来週は生き返っていて、お約束で日曜になるとまた意味もなく急死するんだろうなと呆れつつ読み続ける。
意地悪な読者は、
「急死したんだったら、誰が書いてるんだよ?」
「急死とか言って、その時間に寝てるだけなんだろ?」
「またもや急死ご苦労様です!」
「不死身かよ!」
という反応を毎週のようにする。
時々はコメント欄に、
「どうして毎週、急死するんですか?」
とストレートな疑問が書かれたりもする。
そういう時は、
「今週も精一杯がんばります!」
と、ピントの外れたコメントを返してきたりするのである。
すると読者は勝手に深読みして、
「きっとこの人は、ブログを通じて“生きることの大切さ”を逆説的に訴えているのだ」
「誰よりも、生きることの意味や尊さを僕らに問い続けている人なんだ」
と妙に感心したりする。
このブログには他にも様々な反応が予想される。
「人騒がせだからやめろ」とか、
「逆に元気を貰えるので感謝したい」とか、
「つらい闘病生活の支えです」とか、
「本当に急死した人もいるんだぞ」とか、
「読んでいるうちに自殺する気が失せたので、あなたは命の恩人です」とか、
賛否両論、毀誉褒貶ありそうだが、誰がどう見ても一応はフィクションである。
ところがもし、
「こういう不謹慎なブログは即刻やめろ!通報してやる!」
という真面目な批判の声に屈して更新が途絶えてしまうと、どうなるか。
かえって、
「本当に急死してしまったのでは?」
という噂が広がったりして、よくある都市伝説風の不気味な後味が残ってしまう。
書かないことによって、フィクションの筈がフィクションでなくなってしまうのである。
結局、やめるにやめられなくなって、ずっと続かざるを得ないという変な状況を生み出す変なブログなのであった。
――という流れを想像しただけで、もうすっかり満足したので急死でもするか……ウッ(ガクッ)。