書くことあり日記:法隆寺俳句

 

 

以前、上5を「嬉しいな」に変えてしまう「嬉しいな俳句」を考えてみた。

今回は下5を強引に「法隆寺」にする「法隆寺俳句」を鑑賞してみよう。

 

 

法隆寺(TVサントラ)

法隆寺(TVサントラ)

 

 

荒海や佐渡に横たう法隆寺

 

【解説】豪快、かつスケールの大きな法隆寺である。

 

 

 

海へ出て木枯らし帰る法隆寺

 

【解説】一旦は海へ出てみたものの、やはり法隆寺に帰るという、擬人化された木枯らしの可愛い様子が印象的な句。

 

 

赤い椿白い椿と法隆寺

 

【解説】法隆寺の近くで赤い椿と白い椿が落ちた。目に鮮やかな印象を残す句である。

 

 

これがまあ終の住み処か法隆寺

 

【解説】まあ、ちょっくら法隆寺で老後の生活でも送りましょうかね、という慨嘆である。一体どんな身分のお方なのやら見当もつかない。

 

 

しずかなる力満ちゆき法隆寺

 

【解説】じっと力をためて、飛ぶつもりらしい。法隆寺も時にはやんちゃな小僧のような、あるいはバッタのような一面を覗かせる。

 

 

万緑の中や吾子の歯 法隆寺

 

【解説】やっと歯が生えてきたぞ、と口の中を見てみると、小さな法隆寺がひょっこり顔を出している。生活の中のシュールな一場面を描いた句である。