日本ウソむかし話:ごはん屋の老夫婦

 

 

昔むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました。

おじいさん:いいもうけ話を思いついたわい。

おばあさん:どんな考えなんじゃ。

おじいさん:ご飯でも何でもないものを瓶に詰めて「ごはんですよ!」とラベルに貼って売れば、皆がご飯と間違えて購入するわいの。

おばあさん:それは悪どいが、金の匂いがするのう。

おじいさん:大あたり間違いなしじゃわい。

 

こうして、おじいさんとおばあさんの経営する「ごはん屋」が売り出した「ごはんですよ!」は、一部で「タイトル詐欺」と揶揄されながらも、多くの人を騙して大評判となったのでした。

 

桃屋 ごはんですよ 180g

桃屋 ごはんですよ 180g

 

 

この様子を見た神様は大いに憤慨して、老夫婦に天罰を与えました。

 

神様:貴様らのような、大嘘つきの夫婦を許しておく訳にはいかねえ。

おじいさん:うわ!急に神の声が天から降ってきたわい。

おばあさん:恐ろしや恐ろしや。

神様:桃でも何でもないものを売っているが、神の力で強引に「桃屋」と改名してやる。

おじいさん:それはご勘弁くだされ。瓶詰め工場の拡大を予定しておりますのじゃ。

おばあさん:瓶詰め一年分お供えしますわいの。

神様:今さら何をぬかすか、この腐れ外道が。大いに反省するがいい。

 

雷鳴が轟き、一夜にして「ごはん屋」は「桃屋」となりました。

しかし、どういう訳かそれ以降は、ますます繁盛して現在に到るのでした。


教訓神様のやることは意外と出鱈目が多いものです


別の記事へジャンプ(ランダム)