昔むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさん:いいもうけ話を思いついたわい。
おばあさん:どんな考えなんじゃ。
おじいさん:ご飯でも何でもないものを瓶に詰めて「ごはんですよ!」とラベルに貼って売れば、皆がご飯と間違えて購入するわいの。
おばあさん:それは悪どいが、金の匂いがするのう。
おじいさん:大あたり間違いなしじゃわい。
こうして、おじいさんとおばあさんの経営する「ごはん屋」が売り出した「ごはんですよ!」は、一部で「タイトル詐欺」と揶揄されながらも、多くの人を騙して大評判となったのでした。
この様子を見た神様は大いに憤慨して、老夫婦に天罰を与えました。
神様:貴様らのような、大嘘つきの夫婦を許しておく訳にはいかねえ。
おじいさん:うわ!急に神の声が天から降ってきたわい。
おばあさん:恐ろしや恐ろしや。
神様:桃でも何でもないものを売っているが、神の力で強引に「桃屋」と改名してやる。
おじいさん:それはご勘弁くだされ。瓶詰め工場の拡大を予定しておりますのじゃ。
おばあさん:瓶詰め一年分お供えしますわいの。
神様:今さら何をぬかすか、この腐れ外道が。大いに反省するがいい。
雷鳴が轟き、一夜にして「ごはん屋」は「桃屋」となりました。
しかし、どういう訳かそれ以降は、ますます繁盛して現在に到るのでした。
教訓:神様のやることは意外と出鱈目が多いものです