「鴛鴦歌合戦」

 

 

何と、最初に観てから10年ぶりとなる「鴛鴦歌合戦」である。

冒頭から歌、歌、歌とほとんどの台詞が歌に乗って歌われる、かと思っているうちに、ひたすら色と金の織り成すメカニズムで話が動いて悲劇に傾き、歌が減るが……。

 

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堅苦しい宮勤めを嫌って、気楽に長屋暮らしをする浪人浅井禮三郎(片岡)はその美男ぶりから、思いを寄せる女は引く手あまた。

隣に住むお春は、香川屋の娘お富や、許嫁の藤尾たちとの恋の鞘当てにいそがしい。

気楽さといえば「♪僕はわか~いとのさま~」と歌いながら歩いてくるバカ殿・峯澤丹波守は、負けちゃあいない極楽とんぼ。家来たちだって歌いだす。

お春の父・志村狂斎は、傘貼りの内職をしながらも骨董集めに目が無い。バカ殿・峯澤丹波守は、同じく骨董好きなのだった。

偽物を売りつける骨董商・六兵衛がからんで、お気楽な長屋を舞台に、一騒動が巻き起こっていく・・・。

 

やがて、ちゃぶ台をひっくり返してぶっ壊すような爽快さを持ったラストで再び歌が浮上する。

強引にまとめると、歌→色と金→歌、という構成で、全身の細胞の老廃物が消え去るような歌声の数々が、乱雑ながらも浮き浮きした気分を運んでくれる。

 

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そして何と言っても、お春ちゃんの拗ねた態度や声や仕草がどれも昨日撮影されたかのように瑞々しい。特に「ちぇっ」!

 
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