かれこれ「短歌の目」に参加するのも八回目となりました。
1. シチュー
グラグラと煮えるシチューを泳ぎゐる丈夫な金魚に餌はやらない
2. 声
家なき子 声なき声に耳澄ませいつか耳なし芳一となる
3. 羽
4. 信
「信じる」はにんべんに言うと書きますが意味するものは特にないです
5. カニ歩き
カニ歩きうっかり蟹を踏んだ子は反復横飛び五年の刑です
6. 蘭
歌うときラは蘭の花と決めてをりたとへ死しても喇叭は認めず
7. とり肌
とり肌の艶な美人がコケと鳴き葱色の卵を産んで没せり
8. 霜
冬の朝霜の隙間を縫い飛んでナノテク金魚は光を食べる
9. 末
世の終わり宇宙船団やって来て金魚を釣って全艦爆発
10.【枕詞】ひさかたの
ひさかたの光のどけき冬ねむる仔犬の香りはビッグマック