バスジャック犯が占拠したバスには、我侭なおばはん、バナナを食べる老人、塾へ行く子供、旅芸人の一座、不倫中の教師(と生徒の母親)、そして逃亡中の宝石泥棒がいた!
……という犯罪物ですけど、二人組のバスジャック犯の間抜けな方が川谷拓三なので、次第にシリアス色が薄れてきて、いつの間にかコメディっぽくなってしまう。
人質からも何となく小バカにされて、ちょっと気の毒な役回りでした(いつもそんな感じで最後には殺されますけど……)。
後世の「スピード」に影響を与えたという声もあるようですが、狭いところに様々な人間が集まって浮かび上がる人間模様を描いているという点では「駅馬車」じゃないかと思いながら観ていました。
このインタビューによると、本格的なカーアクションではなくて、予算の関係でドタバタ劇になってしまったという……。しかしクライムコメディとして観れば充分よかったです。若き日の三上寛や笑福亭鶴瓶も登場します。