新聞を読んでいたら「室生犀星」の読みがなが「むろお」となっていて驚いた。
これまでの人生で何百万回も「室生犀星」という漢字を読んできた私だが、その度に心の中で「むろう」と読んできたからである。
調べてみると「むろお」でも「むろう」でも、どちらでも構わないらしい。
ウィキペディアによると、
姓の平仮名表記は、「むろう」が一般的であるが、犀星自身が「むろう」「むろお」の双方の署名を用いていたため、現在も表記が統一されていない。室生犀星記念館は「「むろお」を正式とするが、「むろお」への変更を強制するものではない」としている。
となっている。
本人が曖昧なのだから仕方がない。
こういう人は珍しいかというとそうでもなくて、私のお客様にも似たような人がいて困ったことがあった。
その時は保険の契約者名と銀行の口座の名義の読み仮名が異なるので確認したら「どっちでもいいんだよ」という回答であった。しかも戸籍は戸籍でまた読み方が違っているという話なので、こうなると「統一しては如何でしょう?」などとは迂闊に言えない。
その場ではもう「どっちでもいいですよね!」と笑顔で応じるしかないのであった。

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫)
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ちなみに室生犀星のハチャメチャな幻想金魚小説「蜜のあわれ」が映画化されるらしいが、CMやテレビなどで原作者名を言う時はどちらが選ばれるのであろうか。