軍事サスペンス物というと、政治・外交・ハイテク兵器に男の友情、大義、組織vs個人、などなど渋いテーマが目白押しと思われるかもしれない。
しかし本作はテキパキというよりチャカチャカという感じのテンポで話が進み、起きていること自体は国際的にスケールの大きな事件だが、やってることはどれも単純でわかりやすい。
「ミサイルが飛んでくるー!」
「実は隠し通路があったー!」
「音を出すと殺されるー!」
「泳いで敵地に上陸だー!」
「うまいこと敵の敵と接触できたー!」
「登場人物紹介をされないまま尊い犠牲が出た―!」
「やられたらやり返せ―!」
「忘れ物をしたから取りに戻れ―!」
「実は恩師が敵艦にいたー!」
などである。
しかもこれには原作の小説があって、
映画には出てこなかった「マフィア」だの「証券市場への攻撃」なんて単語まで見えるのでソワソワしてしまう。こういう大人向けの遊園地のような映画は、たまに見ると心身が整った気になるので個人的には割と好きである(どんな心身なのか怪しいものだが)。