「1秒先の彼女」は「自分の記憶から、まる1日が消えてしまった!」という強烈な謎から始まるコメディ映画……、
郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い。ある日、ハンサムなダンス講師とバレンタインにデートの約束をするも、目覚めるとなぜか翌日に。バレンタインが消えてしまった...!? 消えた1日の行方を探しはじめるシャオチー。
と思って観ていると、真ん中あたりでミステリ風になり、そこからまた別の展開になる。それでもきちんと説明があって、きちんと着地するし、後味がよい。
何より主人公がだんだん可愛らしく思えてくるので、それだけでも素晴らしい。台湾の風景や建物、ファッションや人の表情など、トゲトゲしいところがなくラブコメ向きでホッとさせてくれる。監督は「熱帯魚」「ラブ ゴーゴー」(これは観た)を撮ってから長い沈黙を経ての長編三作目とのこと。