こういう二、三行ほどの短いコメントでも、数年分をまとめると読み甲斐があってそこそこ面白いので、短文だけに絞ったブログをもう一つ作ろうかと考え始めている。
くりぃむナントカ VOL.グー
「ビンカン選手権in箱根」のラストには心底驚いた。
途中のABCが何に対応しているか、という謎解きも驚いたが、大落ちとしては歴代ビンカン選手権の中でも屈指の出来。
からいやつら、チャラチャラしようぜも面白いし、三分たりませんも良かった。
ドキュメンタリーのような空気感と、次に何が起こるのか分からない意外性に引き込まれた。
終盤は何となく見覚えのあるような構図に収まってしまったようで少し残念。
たった一家族の物語だというのに、関係が全く分からず、台詞も聞き取れず、筋らしい筋もほとんど無い、にもかかわらず退屈ではないという稀有な映画だった。
バッタ君 町に行く
なぜか洋画には「近所に住む作曲家」がよく出てきて、貧乏だがやがて成功する。
「裏窓」もこの映画もそういう意味ではそっくりだ。
鍵
これもブラックな味わいのコメディといった趣。
しかしコメディのようでいてそうでもなく、犯罪ドラマ、ホームドラマ、そういったものに少しずつ似た別の何かだった。
病院の壁の汚れ、汽車の連結器、甍の波、着物、赤と緑の缶、紅茶とサラダ、への字の眉、といった物が印象に残る。
ブラックでシニカルで、すっとぼけていて、しかも軽くてもたれない。
洗練された味わいを持った大人の寓話。
バナナマン傑作選ライブ BANANAMAN KICK
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ゲロのコントは汚い話なのに、まったく汚いと感じなかった。
最低であって最高のコント。
コンパクトでテキパキしていて、ウィットがあって毒気もあって、ほんの少し悲しくて温かい気持ちになる。
何かの皮を何重にもかぶっているようでいて、実は単純きわまりない恋愛映画でもある。
もう少しテキパキした感じにすれば十分今でも通用する……、けどそれは普通の「24」みたいなものか。
SF/ボディ・スナッチャー
ヒロインの「目玉の芸」あたりから「これは普通じゃない」と思ったが、全体に映像もエピソードもスタイリッシュで、宇宙人がチャチでも全く気にならなかった。
レポマン
久々に何が何だかわからないけど面白い映画を観たよ!
シリーズ化されるほどの作品ではないよ!
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6回目か7回目くらいの鑑賞。
メンバーそれぞれの見分けがはっきりつくので、特にライベンの考え方や行動に一貫性を感じる。
最後の戦いが始まる直前に、ライアンとライベンが無言で視線を交わす一瞬の美しさ。
少年ジャンプに連載されていた漫画が、急に打ち切られた時のような終わり方だったよ!
ノウイング
昔の「トワイライトゾーン」のような前半は「こういうの好きだなあ」と思った。
後半は「こういうのはもういいかな~」と思った。
クラークが短編でサラッと書く内容を、ハリウッド的な脚本作法で二時間に延ばして分かりやすくしました、という映画。
最近、頭の痛くなるような難題が多かったので、殴ったり爆発したりでスカッとする映画が自分には必要だった……。
暗くなるまで待って
「映画史上最大級に恐ろしい、二回鳴る電話のベル」賞があったら受賞確実だよ!
マッチポイント
夜中にテレビでやっていたので二度目の鑑賞。
単純な話なのにこの奥行きと重厚さと深みと、もたれない感じと独特の軽やかさとが同居しているのは見事としか言いようがない。
この続きも見たいと思うが、それは野暮というものか。
救命艇
このジャケットの中央にいる、ガルボ風の美女(Tallulah Bankhead)がよかった。
コテコテの色合いがいい。音楽も良かった。
二人が「練習」をする場面も良かった。
空気人形
饒舌でないが心に沁みる。沁みて痛くなるような映画。
片言の日本語、意志なきものが意志を持つという点で「わたしは真悟」を想起した。
グリーンや紫や黄色が下品でなく、鮮やかさと瑞々しさを保ちながら撮影されているところにビックリ。
話はあって無いような感じだった。
今回のまとめ
今回は自分の趣味としては割と良作が多い。ベスト3は「黒い十人の女」「花様年華」「空気人形」である。
ごく普通の人向けに勧めるとしたら、いずれも有名だが「プライベート・ライアン」「暗くなるまで待って」が双璧。
他に「くりぃむナントカ 」はDVD化されたものは全部観ている。とりわけ「ビンカン選手権」は実に面白いので、映画の観過ぎで疲れた時などにぜひ見てほしい。下手なミステリ風映画を読むよりも、ずっと大きなミステリ的満足感を得ることができる。