観た映画:「生まれてはみたけれど」☆☆☆☆

弁士つきの上映会で「生まれてはみたけれど」を観てきた。今までに4,5回ビデオやテレビで観ているが、何度観ても飽きるということがない。

今回は弁士がチョロッとアドリブ的に発言を付け足すことで、客席に笑い声が何度も起こった(「そこの若い頃の笠智衆さん」という風に役名と芸名をわざとゴッチャにして言ってみたり、「白地に黒だ」「黒地に白だ」「白黒はっきり付けよう」と言ってみたりする)。

 

 

そしてやはり、この作品も他の名作と同様に観るたびに新しい発見がある。

おそらく十代の若者がこの映画を観た場合、印象に残るのは子供が親を凹ませる場面の痛快さではないかと思う。最初は自分もそうだった。けれども繰り返して観る毎に自分が年を重ねるせいもあって、次第に凹まされる親の側に同調するようになってくる。

ということを前回観た時も思ったのだが、今回は父親を見ていて、この人は典型的な「B型のお調子者」ではないかと思った。

血液型で性格を分類する話に対しては、非科学的だとする反発が多い。しかし私の場合どういう訳か気の合う人にはB型が多く、B型の全員がどうこうとまでは言わないが、経験上「B型の中に特徴的な一派がいる」らしいことは否定できない。

この稀に見る喜劇的かつ悲劇的な父親は典型的なB型のお調子者で、それが絶妙の運命的タイミングでたまたまああいう事になっちゃっただけだという風に思えるのだ(ネタバレになるので、気になる方は是非一度この映画を観て下さい)。


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