「ザ・スイッチ」

 

 

殺人鬼と女子高生の心が入れ替わるというので、劇場に観に行きたいと思っていた作品である。しかしコロナの影響で公開が延びたり色々あって、やっと観た。


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結論から言うとホラー性やサスペンス性は薄くて、むしろ学園コメディ的で、友情や純愛的な要素もあって、しかも家族の絆まである。新作なのに懐かしい、中二くらいの頃に観たような気がするほどの安定感を味わえる。

しかも勧善懲悪で、悪い奴らは大体殺される。この種の殺人鬼が暴れる映画は、敵も味方も容赦なく死んでしまうものかと思っていたが、ちゃんと悪を叩き、正義は勝つようになっている。

 

 

さらに言うと、主人公の実際の「良い父親」はすでに死んでしまっている。古き良きモラルのある世界そのもののパパは、もういないのだ。で、今の碌でもない世界を象徴するような「悪い父親」の役割を殺人鬼が負っていて、なりふり構わず必死でそいつをやっつける。

ちょうど主人公が「表面は殺人鬼で心は少女」であるように、表面はスプラッターだが中身は品行方正で勧善懲悪な話なのだった。