「北陸代理戦争」

 

 

Youtubeで、山下達郎と竹内まりやの夫婦放談を聴いていたら「映画の奈落」というノンフィクションが褒められていたので「北陸代理戦争」を観てみた。

 

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北陸代理戦争

北陸代理戦争

 
映画の奈落: 北陸代理戦争事件

映画の奈落: 北陸代理戦争事件

 
映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件 (講談社+α文庫)

映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件 (講談社+α文庫)

 

 

予告編では渡瀬恒彦が出ているが、撮影中の事故で伊吹吾郎に代わったとのこと。

 

凍らんうちに始末してやる!北陸気質まるだしの狼たちは、日本海の荒れ狂う厳寒の冬に似て獰猛かつ陰湿だった!生きるためにはなりふり構わず手段を選ばぬ凄惨で残虐なヤクザ抗争を主演・松方弘樹、監督・深作欣二のコンビで描いた異色のバイオレンス・ドキュメント。大組織の力も通用しない北の国で、消されぬため、生きるためにとったゲリラの野獣戦略とは!?

 

西村晃も出ているので、何となく黄門様と格さんの子孫の姿を見ているような気になってくる。そしてハナ肇!この種の映画には欠かせない、身勝手で、小心者で、強欲で、威張っているが最終的には情けない姿を見せるという、難しいような簡単なような、地が出ているのではないかと思わせるような親分の役を演じている。それに成田三樹夫!この人の剃りこみの入った、四角いオデコを見ると、いかにも昭和のヤクザを見たなあという満足感を得られる。

 

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これら豪華な脇役陣に支えられた松方弘樹が格好いいので、付かず離れずの距離を置いたヒロイン的な野川由美子、一途な女の高橋洋子もますます引き立つ。「アウトレイジ」のアレはコレへのオマージュだったのか、と思えるシーンもあって、為になった。

 

この対談↓もたいへん面白い。

 

 坪内:あと『北陸代理戦争』とかはそうだけど、実録モノで地方を扱った作品は、その土地ならではの風景を映しているのが良かったね。寅さんとか『トラック野郎』は地方に出掛けていく話だけど、こっちはそこに住んでるヤクザたちが主役だから。

杉作:ご当地ムービーですね。住んでいるヤクザと、神戸から攻めてくる山口組の物語。

坪内:それってつまり日本に戦国時代が残っていたってことだね。

 

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坪内:J太郎さんはチンピラにカツアゲされて、その人たちに対抗するためにヤクザ映画を観始めたんだよね。でも本当にヤクザになりたかったわけじゃないでしょ?

杉作:なりたくはなかったですけど、当時のヤクザは「就職先の一つ」くらいには考えられていたと思いますよ。テレビで『清水次郎長』が放送されていて、北島三郎さんが「兄弟仁義」を歌っていた時代ですから。僕らの子供の頃のヤクザはスーパーマンみたいなヒーローだったんですよ。地域のヤクザの人たちも、危害を与えるわけでも、悪いことをしてるわけでもなかったですし。暴力団排除条例でヤクザが毛嫌いされるようになったのはここ10年くらいの話です。司忍さんが「ヤクザが差別されている」と言っていましたが、その部分は僕も僭越ながら同意見ですよ。

坪内:一般の社会では力を発揮できない人たちが、このヤクザの世界でサバイブできたりするんだから、その受け皿がなくなればより恐ろしい世界になるからね。しかもヤクザって、関東連合のようなチンピラと違って組織として教育指導されているから。

 

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杉作:あらゆるアイドルが集まって、女子キャストでヤクザ映画をやるのもいいかもしれないですね。最近はアイドルでもすごい戦闘的なグループがいますし、グループごとに組を分ければ見た目の違いもわかりやすいじゃないですか。本当は、まだお元気な梅宮辰夫さんや千葉真一さんに出演してほしいんですけどね。

坪内:ただ司忍組長はアツイというよりクールな感じだから成田三樹夫が生きていればなぁ。

杉作:それかアニメですよ! グループがまとめて抜けて敵になる話って、ちょっと「聖闘士星矢」っぽいですし、車田正美先生に描いてもらいましょう。組ごとに髪の色を変えれば違いもわかりやすいですし、実録でもアニメまで離れてしまえば作れるはずですよ!

 

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