「ビッチ・ホリデイ」は普通に観ると退屈そのものといったトーンとテンポの映画なので、万人にはお勧めできない。
原題が「ホリデイ」であるところを、日本ではわざわざ「ビッチ」をつけて「ビッチ・ホリデイ」にしている。
しかしさほどビッチでもなくて、そりゃ少しは悪いことをするし、されるし、それ以上のこともしたりされたりするけど、いわゆるビッチではない。
では何が描かれているかというと、ひたすら内面が「空虚」である、ということで、この種の映画には昔から強く惹きつけられる。
たとえば、
「アイズ・ワイド・シャット」
「マリー・アントワネット」
「サムウェア」
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「マイレージ、マイライフ」など。
映画という表現形式は必然的に「巨大なもの」を映すようにできていて、同時に「空虚さ」も映すようにできている。
おそらく小説や演劇よりも、映画は「だだっ広い空間」を「だだっ広い空間」のままに、本当にガラーンとした、奥行きだけがあって他には何もないという絵を、しかも無音で提示できるからだろう。